男子全滅 南八ヶ岳1日目〜桜平から硫黄岳〜

夏山シーズンは短い。
そんな中、なかなか山に行かない山岳会は、どうしているかと言うと…
会を仕切るシュニンとブチョウの仕事が忙しく、週末に予定を組む事も困難な様子だ。
このまま誰も言い出しっぺにならなければ、アッと言う間にシーズンが終わり反省会。
席上では「さて来年はどこに行きますか」という話しになり、鬼に鼻で笑われるのは火を見るよりも明らかである。
こりはマズい。
意を決して、下っ端会員の私が、8月の最終週に向けた2つのプランを提案した。
白馬プランと南八ヶ岳プラン。
どちらも下山した2日目の夜に "打上げ大宴会" が組込まれた金曜日出発の2泊3日プランである。
女子チームは即行で参加表明、シュニンは平日の休暇取得が難しく断念、ブチョウは日曜日に予定があるので、1泊2日であれば参加できるらしい。
決まり!
ブチョウには土曜日の打上げ後電車で帰ってもらうことになる為、あまり遠くない「南八ヶ岳プラン」を採用する事になった。
おりしも太平洋では3つの台風が発生し、秋雨前線が停滞。天気予報では雨マークが並んでいる。
ちなみに、山岳会のイベントはいつもこんな感じの天気なのでまったく驚かないし、慌てる事もなくなった。

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前置きが長くなってしまったけど、とにもかくにも送迎車が来る1時間前に茅野駅に到着した。
乗ってきた車を明日の宿の駐車場に置かせてもらい、駅前のコンビニで昼飯も仕入れて準備万端。
青空も広がってきて、日向では暑いくらいの陽気になってきた。

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予定通り、オーレン小屋の送迎車に乗り込み、登山口の桜平まで移動。
本日のルートは、オーレン小屋で昼飯、荷物を軽くして硫黄岳に登り、赤岩の頭からオーレン小屋に戻ってくる。

夏沢鉱泉までは林道を行く。

オーレン小屋に到着。例によって大汗をかきながら歩いてきたブチョウは、肉離れを起こした足が完治していなかったようで、音を上げてしまった。硫黄岳には私と女子チームで登頂することになった。

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標高2,440mの夏沢峠に到着。
ガスの中に浮かぶ硫黄岳への道は、とてつもなく急な登りに見える。
さて、山頂に向けて出発。

硫黄岳

途中の危険箇所を迂回して急登開始。
それほど登ったわけじゃないのに、ほどなく女子
チームのペースについていけなくなってしまった。
いつもなら、あまり休憩することなくタンタンと登っていけるのに…何かが違う。

硫黄岳

ガレ場に入ると増々遅れ始め、後から登ってきたパーティにも抜かれる。
眠い、足下がかすむ、やる気が出ない…。

硫黄岳

最初のケルンで女子チームが待っていてくれたけど、少しづつ行くので先に行って欲しいと伝える。

IMG_3195.jpgトボトボと歩く私

とにもかくにも自分の足で歩いていかないことには頂上に着かない。
足下はかすんでいるけど、つまずいて転ばないように一歩一歩慎重に足を踏み出していく。
どうも軽い高山病にかかってしまったようだ。
山岳会男子全滅。

硫黄岳硫黄岳 爆裂加工

そんな状態で歩いていても、ガスの中で左手に現れた爆裂火口には目を奪われた。
見たかった光景だ。

なんとか標高2,760mの山頂に到着すると、体調も少し落ちついてきた。
夏沢峠から見えた登山ルートにビビっていた女子チームは、余裕綽々のご様子。
残念ながらガスで眺望はない。

硫黄岳硫黄岳

予定よりも時間が押しているので、早々に下山開始。
ガスで煙る尾根を行き、赤岩の頭の近くまで来ると、横岳・赤岳・阿弥陀岳という八ヶ岳を代表する山々が少しだけ顔を出してくれた。

硫黄岳

疲れも高山病も吹っ飛び気分爽快。
来てよかった。
ブチョウはウン十年前に一度見ているけど、来られなかったシュニンにも見せたかった。

硫黄岳

オーレン小屋に向かって下山。
コースタイムは40分だけど思ったよりも長い。

小屋に着くと、留守番をしていたブチョウが心配しながら出迎えてくれた。
自分が高山病になった事を言うと、疲れも原因にはあるけど、天気の悪い今日みたいな時はなりやすいと教えてくれた。
17時半から始まった小屋の夕飯は、桜肉を使った美味しいすきやき。日本酒を持ってきてよかった。食後は薪ストーブのある広間に移動して、おやっさんとお話し。持ってきた酒は空になった。
私「爆裂火口が見れてよかったです。」
女子1号「なにそれ?」
私「えっ?! 登ってる時、左手にドド〜んと見えたでしょ?」
女子1号「見なかった。」
全員「ええ〜〜っ!(@@;)」

(2日目につづく)