シーカヤックで行く花金の旅 2日目〜諸磯から三戸浜〜

2日目の朝、この時期は日の出が遅いので、寝袋の中でまどろみながらテントの中が明るくなるのを待った。
ようやく寝袋から抜け出し外に出ると、手足の先が凍りそうだ。
昼間は暖かくても、朝晩の冷え込みは厳しい。
しかし、こんな寒い朝でも釣り人達はやってくる。
世の中で一番寒さに負けないのは、釣り人とサーファーで決まりだろう。
寒くても遊びに来るってことは、朝の海が遊びに適してるって事もあるだろうけど、それだけその遊びが楽しいんだと思う。
そういう自分もここにいるって事は、シーカヤックという遊びを楽しんでいるって事になる。

諸磯相模湾を隔てた先には、薄ピンクに染まった富士山が顔を出していた。
夜中に吹いた風で海面は少し騒ついているけど、そのうち静かな海が戻って来る。

お湯を沸かし、陽が当たっている岩場を散歩しながらコーヒーを飲んだ。
この時間に太陽の偉大さを感じてる人は何人いるだろうか?
少なくても、この岩場にいる釣り人達は全員感じているに違いない。

諸磯テントをたたみ、凍ったコクピットカバーを外す頃には、裸になって着替えるのも苦にならなくなっていた。
風が吹いていなければ、極寒の朝でも大丈夫。
カヤックに荷物を詰め込み出発。
今日は寄り道しないで三戸浜まで戻り、カヤックをたたんで伊豆に向かう。
伊豆のコンディションは微妙だけど、主な目的は久しぶりに飲む伊豆の酒である。

三戸浜では天井にキャリアを付けた車が沢山停まり、シーカヤックツアーの人達が出艇準備中。
テントを張ってフェザークラフトを組み立てている人もいて、誰もいなかった昨日とは大違いである。
犬の糞に気をつけながら草地でウィスパーをたたみ、出発した。

ところが、クリスマス週末(?)の影響なのか、伊豆に向かう道は大渋滞。
午後に伊豆に向かう事は滅多にないので、渋滞の事は全く考えていなかった。
東伊豆でみんなが泊まるのは、熱海、伊東、伊豆高原、稲取。西伊豆では土肥、修善寺、堂ヶ島だろう。
そうなると、海岸線の道を行くのはNG。
午後に下田や南伊豆に向かう場合は、迷う事なく山の上の道を選ぶのが正しい。
そんなこんなで下田に着いたのは、18時になってしまった。

IMG_3968.jpg飲み始めて5時間。
このお茶漬けを食べたら店を出る。
この2日間で、シーカヤックを漕いだ時間は1時間。そして飲み屋の席に座っていたのは9時間。
明日はどうなるだろう?須崎の海は、明日も波が高そうだ。
想定外のお出かけポイントを取られない為にも、明日はまっすぐ帰った方がいいんじゃない?…という心の声が、お酒で回転の鈍くなった頭の中でこだましている。