またね富浦 2日目〜南房総〜

IMG_5680.jpg2日目の朝、朝飯を食べてから海岸に行くと、昨日の喧騒がまるで嘘だったかの様に静けさが戻っていた。
そして、カヤックの上にはこの浜の住人の足跡が…たぶん白くて太った奴だ。

宿に泊まってのカヤックツーリングは快適である。
仕事が終わった後に移動し前泊するのもいい。その場合は、前日にカヤックを組み立てておくと当日の朝何もしないで漕ぎ出せるのでモアベター。
このあたりの感覚は、組み立てと分解が宿命づけられているフォールディングカヤッカーにしかわからないかもしれない。
考えてみたら、キャンプ禁止期間中に伊豆を漕ぐ時は、宿泊ツーリングでもいいかもしれない。

PB200034.jpgのサムネール画像IMG_1540.jpgP1250031.jpg上の写真は宿にカヤックを置いてツーリングした時の写真。
カヤックを海岸に置いといたら翌日無くなっていた…って話しを以前誰かのブログで読んだんだ事があるので、できれば宿の敷地内にカヤックを置ける宿を探した方がいい。

P6030076.jpg空はキラキラしているけど、潮の透明度は昨日よりも落ちてしまった。
これだけ透明度が悪いと、漕いでいてもあまり楽しくない。
ミズクラゲに混ざって、時々アカクラゲの赤ちゃんがいる。

P6030078.jpg南無谷を抜け岩井に入ったところで、胸元でスマホがブルブル鳴っている。
まさか休みの日に仕事の電話はかかって来ないだろうと思い、確認しないで漕ぎ出す。
岩井海岸を横断中も、電話が鳴り続けているので、発信者を確認するとクライアントからだった。
トラブルっぽい。
海の上では何もできないので、とりあえず先に進み、岩井袋に着いたところで電話を折り返してみた。
トラブル発生。
事情を説明して、午後に対応することで納得してもらった。
ふ〜早く引退したい…。

今回の千葉は、いろいろ思うところがあった。
好きだった場所が、観光ツアーの場所になってしまった事をどう受け止めていいのか考えさせられた。
いい居酒屋が雑誌やテレビに取り上げられ、一見さんが増えた結果、常連さんが遠のいてしまった…という話はよくある。
それをわかっている店は取材を断り、店の雰囲気を守ろうとする。
しかし、町はそうはいかない。
SNSが発展した今日、テレビで取り上げられなくてもいずれ口コミで知れ渡り、同じようなことになる可能性もある。
私は、この場所がなぜか好きだった。
しかし、それは桟橋の先に富士山が見え、写真映えがする風景があったからではない。
ここで暮らす人々がこの町を愛し、落ち着いた生活を営んでいる雰囲気が好きだったような気がする。
観光バスのツアーが乗りつけるようになった今でも、ここには出店やお土産物屋さんは一つもなく、ただ町民が作った質素なベンチがあるだけだ。
たくさんの人が来るようになっても、この町とここで暮らす人々は変わっていない。
昨日までは "さよなら富浦" と思っていた。
しかし、少し時間が経った今では "またね富浦" という気持ちになってきた。数年後…また来てみよう。