三日にあげずスクリーン

三日にあげず…若い人は知らない言葉かもしれないけど、我々くらいの年齢だと一度か二度は聞いた事がある。
意味は「間をおかず、たびたび、ひんぱんに」という事もわかっている。
しかしなぜ「三日と空けず(あけず)」ではないんだろうか?
朝日新聞ことばマガジンの説明によると「あげず(上げず、挙げず)」は「間をおかないで」を意味する連語なので、「三日にあげず」が慣用句として定着した…ということらしい。
日本語の生い立ちというのは面白い。
朝日新聞ことばマガジン

てな前置きはともかく、年が明けて早いもので12日が終わった。
このスピードで月日が流れていったら、2019年もあっという間に終わってしまうかもしれず少し焦る。
そして、相変わらず風の強い日が多いので海に出ることはできない。
となると、普段は山を歩くか酒を飲むかくらいしかやる事がないのだが、幸いにもスクリーンでは興味を引く作品が目白押しなので「三日にあげず」スクリーンに通っている。

今年最初の映画は「メアリーの総て -Mary Shelley-」。
これは18歳で「フランケンシュタイン」を書き上げたイギリスの作家メアリー・シェリーの物語。
なぜ若い女性がこのような怪物を生み出せたのか…がテーマの映画だ。
主人公メアリー・シェリーを演じたのはエル・ファニング(20才)。
男の私でも、メアリーの心の動きや感情に同化できたので、もしこの作品を若い女性が観たらどの様に受け止めるのか興味がある。
とってもいい映画だと思うのに、上映している映画館が少なく、私は例によって横浜のミニシアターで鑑賞した。

ちなみに、エル・ファニングって誰かに似ているなぁと思ったら、お姉さんは「宇宙戦争」でトム・クルーズの子供役を演じたダコタ・ファニングだった。
24才になったダコタ・ファニングは現在も映画に出演していて、私は2018年に「500ページの夢の束」を観ていた。

次に観たのは「バーバラと心の巨人 -I Kill Giants-」
子供が主人公の映画はあまり観た事がなかったけど、なんとなくこの作品のポスターに惹かれてミニシアターに足を運んだ。
映画を観る時は、ストーリーなどあまり詳細な予備知識を入れないで観るので、この少女が何と戦っていたのかは最後にわかった。
邦題と原題の違いが面白いと思って、海外版のポスターを調べてみたらびっくり。

i_kill_giants_2.jpgこんなんだった。
あまりの違いにビックリだけど、もし日本版のポスターがこれだったら観に行かなかったかもしれない。

1月11日 金曜日に観たのは「アリー/スター誕生 -A STAR IS BORN-」。
主役は、誰もが知るシンガーソングライターのレディー・ガガ。
恥ずかしながら、私はレディー・ガガの歌を聴いた事がなかったので、映画の中で初めて彼女の歌声を聴いて度肝を抜かれた。
そして、もう一人の主役を演じたのが監督も兼務したブラッドリー・クーパー。
映画は、彼のライブシーンから始まるんだけど、これがめちゃくちゃ良くて、一気にこの映画の世界に引き込まれた。
ちなみに、レディー・ガガが影響を受けたのはクイーンとデヴィッド・ボウイで、レディー・ガガの"Gaga"は、クイーンの「Radio Ga Ga」の"Gaga"に由来する。

この映画は、1937年に公開された「スター誕生」の3回目のリメイク。
1954年版はジュディ・ガーランドとジェームズ・メイソン、1976年版はバーブラ・ストライサンドとクリス・クリストファーソンが、それぞれ主役を演じている。
ジュディ・ガーランドとジェームズ・メイソンが出会うシーンは、2018年版と大違いの雰囲気なので比べて観ると面白い。

そして今日観たのは「ボヘミアン・ラプソディ -Bohemian Rhapsody-」。
公開されてしばらく経つのに、映画館はほぼ満席。観に来ている人の年齢層はとっても広く、10代〜20代の若い人達が多かったのが意外だった。
映画は評判通りで、実際の1985年のLIVE AIDを再現したラストのライブシーンは圧巻。

私が高校生の時、近くに音楽に詳しい友達がいて、週に一度はお勧めのレコードを持って遊びに来てくれていた。
ジャンルは様々で、ジャズ、ロック、ポップスなど。総て洋楽で、その当時周りで流行っていた日本のグループサウンズやフォークなどは一切聴かなかった。
シカゴ、ピンク・フロイド、クイーン…その中でもピンク・フロイドの「狂気」と「原子心母」は今でもアルバムを持っている。プレーヤーがないので聴けないけど…。

三日にあげずスクリーンに通っている私。
今年も楽しい時間を過ごしたい。