GT300が危ない

GT300が危ない…と言っても、どこかのメーカーが「○○○GT300」ってニューモデルを出して、それが危ないって話ではなく、日本で大人気のレースシリーズ「SUPER GT」の300クラスの行方が危ない! という意味。

まず、「日本のメーカー」が威信をかけて戦う500クラスは、GTの皮を被っているだけで、そもそも「FIA-GT」とはまったく別物の怪物マシン。
なぜ「日本の…」と言ったかというと、FIA-GT選手権のGT1クラスとはまったく違うレギュレーションなので、海外メーカーが参戦しても勝てないし、逆に日本から海外へも行っても走れるクラスが無い。
今の状態は「日本だけでGTに見える車のナンバー1を決めましょう…」というレースなので、プライベータにはまったく関係のない世界。
そもそも、日本にある本物のGTカーというのは「NISSAN GT-R」や「NISSAN FAIRLADY Z」「MAZDA RX-8」くらいしか市販されていないので、FIA-GTと同じようなレギュレーションにしちゃうと、走れる車がなくなってしまう。
みんなが応援する、「LEXUS SC430」はどう見てもGTカーではないし、「HONDA NSX」はもう売っていない。

で、300クラスの話。
元々300クラスはGT2クラスに近い考え方でレギュレーションが取り決められており、魅力的なシリーズになるはずだったが、数年前から「えっ、これって市販車あるの?」みたいな車が登場し始めた。
2007年シーズンのマシンから、いくつかピックアップしてみると…
紫電
ビーマック
モスラー
ガライヤ
少なくても自分は街で見かけたことは無い。
「特認車輌」でエントリーできるってことらしいんだけど、性能調整されたとしても、これじゃあ「GTレース」じゃないと思う。

また、今年からは大きくレギュレーションが改悪されて、エンジン搭載位置を変えていいってことになった。
どういうことかと言うと、フロントエンジンのベース車輌があったとしたら、ミッドシップにしてもいいってことなんだけど…、これってエントラントが楽しむためだけの規則のような気がする。

そんな中で、かたくなに(不利になろうと)FIA-GTのレギュレーションを守って、エントリーしているのが「JLOC」チーム。
もちろんエアリストリクターや重量を、SUPER GTのレギュレーションに合わせているけど、これはいい志だと思う。
特殊なレギュレーションでも楽しく、海外からも注目されるレースを目指すのか、GT2レギュレーションからあまりかけ離れたものにしないで、バラエティに富んだ車輌やチームを受け入れていくのか…坂東会長の手腕に期待したい。

ちなみに、2010年からFIA-GTはGT1クラスが世界選手権化さることになった。
当然ながら、開催地に日本は含まれていない。

[参考]
SUPER GT オフィシャルサイト
FIA-GT オフィシャルサイト