二度あることは三度ある 〜古宇利島撤退〜

IMG_1424_20150610.jpg(2015.6.10 事務所の裏)


沖縄は史上3番目に短かった梅雨が明けて、連日痛いくらいの日差しが照りつけていた。

そして、晴れの誘惑にも負けず、しっかり仕事をやりとげた6月13日の土曜日。
今日も天気は晴れ。
しかし、7〜8メートルの南風が今日も明日も吹き続ける。
朝一番で借りたレンタカーに家財道具一式を積み込んで、羽根地内海(はねじないかい)に向かった。
羽根地内海というのは、古宇利島に渡る際に通過する屋我地島と本部半島に囲まれた内海なので、よっぽどの風が吹かない限りカヤックは出せるはず…と見込んだ。

Googleマップで目星を付けておいた出艇場所までやって来て、お弁当を買い忘れている事に気がついた。
羽地の部落に行き、弁当を購入。氷は弁当屋の向いにあった鮮魚店でめぐんでもらった。
水は500mlのペットボトルが2本。足りるだろうか?

戻る際、なんとなく出艇場所を変更したくなり、屋我地島の方に向かうことにした。
この "なんとなく" が後に大きな意味を持ってくる。

屋我地島に渡る手前にある奥武島(おうじま)という小さな島から出艇することにした。
ちなみに、奥武島という名前の島は沖縄に4つあり、死人を安置する島だったらしい。
わかりやすく言うと、あの世へ行くための島。
神聖な島ではあるけど、カヤックで海に乗り出すには微妙な場所である。

屋我地島

駐車場に車を停め、日影を探してウィスパーを組み立て、道路を隔てた反対側の階段下に運んだ。
この手の階段は滑りやすいので注意が必要。
今日の予定ルートは、屋我地島の東海岸を北上し、古宇利島を反時計回りに一周、ワルミ海峡を抜けて戻って来る。

屋我地島

出発。
水深は浅く、カヤックがギリギリ浮かんでいる。
あっちこっちにアマモの茂った浅瀬があるので少し岸から離れた場所を漕いで行く。

暑い!
暑過ぎる!
このままだと水が足りなくなる。
水を補給する為、商店か自動販売機がありそうな場所にいったん上陸することにした。

相変わらず水深は浅い。
すると、突然カヤックのすぐ前からひかり輝く魚が空中に飛び出し、何メートルも飛翔した。
サヨリだ!
その1匹が引き金になり、次から次に何匹ものサヨリが飛び出しカヤックから逃げていく。
素晴らしく美しい。

屋我地島屋我地島

何かの港湾施設があったので、ロープでカヤックを引っぱりながら浅い海岸に上陸した。
ともかく水を補給しなければならない。
5分ほど歩いた所にあった自動販売機で水を購入。海岸に戻り日影に座り込んでグイグイと飲み干した。

古宇利島

体力が回復したところで、古宇利島に渡る。
島と島の間は1.6キロ。海の色がすごい。

ちょうど真ん中まで来たところで西風が吹き始め、風に押された波でカヤックが揺さぶられ始めた。
カヤックを曲げられながら橋の袂にある白い砂浜に上陸すると、ますます風が上がり波頭も砕け始めた。

古宇利島古宇利島

海岸には次から次に観光客の車がやって来て、海の色に感激している。
たしかに海の色は凄い!
でも、自分は色よりも風が気になる。
このままでは、古宇利島を一周できないし戻る事もできない。

風はやみそうもないので、この場所で撤収することにした。
しかし、古宇利島には路線バスのルートがなく、もっとも近い屋我地島のバス停までは3.7キロあった。
今から歩き始めても次のバスには間に合わず、次の次のバスは何時間も先だ。
仕方がないので、車を停めた奥武島まで歩くことにした。

古宇利島大橋古宇利島大橋

古宇利島大橋を歩いて渡る人はいない。
眩しいくらいの天気なのに、東側に見える大宜味村では雨が降っているようだ。

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屋我地島に入り、島ぞうりをペタペタ鳴らしながら歩いていく。

屋我地島

島ぞうりをペタペタ鳴らしながら歩いていく。

屋我地島屋我地島

島ぞうりをペタペタ鳴らしながら歩いて、やっと奥武島に到着。
ここまで歩いて、自分の身体的限界について、一つわかったことがある。
"島ぞうりで歩けるのは7キロまで!"

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車で古宇利島まで戻り、カヤックを撤収。

今日は8キロも漕いでいないのに、それほど残念でもない。
予定どおりにいかないと不機嫌になる人もいるけど、そういう人はカヤック旅には向かない。
途中の撤退は大変。しかし、順調に進んだらけっして立ち寄る事がない場所に自分を導いてくれている様な気もする。

幸貴ビーチ幸貴ビーチ

ホテルのある那覇まで戻るのが面倒になったので、名護の辺りで泊まることにした。
好きなホテルに電話してみた。

「ダメ元で聞いちゃうんですけど〜今日って部屋空いてたりします?」
「あ〜すみません。残念ながら満室なんです。」
「やっぱりそうですよね〜」

幸喜公園のシャワーで汗を流し、コンビニでビールとワインを買って幸喜ビーチに来た。
ビールを開けてグイっと一杯やる。
もう車は運転できない。
ペットボトルをナイフで半分にしてグラスを作り、ワインのコルクを空けると、目の前に広がる海と空でショーが始まった。

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