8年 〜東日本大震災〜

2011年3月11日の東日本大震災から8年が過ぎた。
現在の避難者は「約52,000人」、2019年1月現在の仮設住宅入居者は「3,418人」。
4年 〜東日本大震災からの復興を考える〜

shinsai8nen_1.jpgとてもまともな人間が暮らせる場所に見えないこの殺風景なプレハブの仮設住宅に、8年も暮らしてきた人達がいる。
そして、この仮設住宅も今月末で退去しなければならない。
なぜ国や自治体は被災者一人一人に対して血の通った対応ができないんだろう?
私には理解できない。
また、原発事故で避難している区域外避難者に対しては、国と自治体は避難者への住宅無償提供を2017年3月に打ち切ってしまった。
この決定は猛反発を受け、2019年3月までの2年間、家賃を支払うことを条件に住み続けることを認めた。
家賃を取る?
このように原発事故で避難している人達への支援が打ち切られていく状況を見ると、復興の状況は2015年からあまり変わっていないように思うのは私だけだろうか?。
我々は現在「復興特別税」という新設された税金を払っており、これは25年間払い続けることになっている。
にも関わらず、被災者へ支援がいき渡らないのは何故なのか?
そればかりか、復興庁は2021年3月で廃止されてしまう。

shinsai8nen_2.jpg上の写真は、昨年孤独死が起きた仙台市の復興住宅。
お年寄りが復興住宅に移り住んだとしても、それで万事解決では無い。
孤独死の数は2013〜2018年の6年間で、宮城県120人、岩手県34人(自殺を除く)の計154人。2016年19人、2017年47人、2018年68人と急速に増えている。
役人は復興をどのように考えているんだろうか?

fukushima_osensui.jpgfukushima_osendo.jpgこれは、汚染水タンクと汚染土の様子。
汚染水タンクは、現在962基 110万トンあり、2021年には敷地内に置くスペースが無くなる。
アンダーコントロールと嘘を言って東京オリンピックを誘致した政府としては、汚染土が広がる様子は見られたくないようで、一日も早く全国にばら撒いてしまいたいらしい。

meltout.jpg福島原発の格納容器はメルトダウンと説明されているが、メルトアウトしている可能性がある。

fukushimaloadmap.jpg廃炉までのロードマップはこのように発表されているが、メルトダウンであってもデブリの取り出しは難しい...というか、チェルノブイリはデブリの取り出しを諦め格納容器を石棺で覆っている。
福島の場合、これがメルトアウトしていたら…デブリの取り出しなど夢物語に過ぎない。

関西の漫才コンビであるおしどりマコ・ケンは、原発事故をキッカケに独自の取材を始めた。
そのジャーナリスティックな取材活動は、他の記者さん達も大いに見習うべきである。

そして、もう一度おさらいをしておきたい。

まだ知らない人がいるかもしれないが、福島事故の5年前に吉井議員が問題提起をしていた。
しかし、当時首相だった安倍晋三は、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、一切の対策を拒否している。
下記は答弁の一部である。
「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」
「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない。」
そして肝心のバックアップ電源についてはこう答弁した。
吉井議員「日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルスマルク原発1号の事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」
安倍首相「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。」

安倍晋三は、今年も何食わぬ顔で福島でアピール動画を撮影し、現在も日本の首相をしている。