駐車場難民から昼飯難民 〜諸磯周辺〜

神奈川県では、新型コロナ感染予防のため、県下25カ所の海水浴場全てが開かれないことになった。
しかし、開かれないと言っても海はそこにあるので、海の家や監視体制が無くても、海水浴客は来てしまう…という事になる。
これは神奈川県知事の判断だけど、あまりにも短絡的で県民に対する思いやりが感じられない。
東京・大阪、そして神奈川など、政治的な判断だけで物事を決める首長がいる民は不幸である。

そんなこんなで、海に隣接する駐車場がいまだに閉鎖されている三浦の海でシーカヤックをするには、普通に考えれば方法は2つ。
- 電車で移動して好きな場所から漕ぎ出す。
- 葉山公園か長浜あるいは、海岸に近いコインパーキングに車を停めて漕ぎ出す。
電車移動はなるべく避けたいし、葉山周辺は最近マンネリ、そして長浜からシーカヤックで出るイメージは昔からない。ふむ…どうしましょ?
どこでも夏モード 〜長浜から諸磯〜


6月20日 土曜日、快晴。今日は早朝に出発し三浦に向かう。
この時期の日の出は早く、すでに明るくなっている外を見ると少し焦る。

最初に向かったのは三戸浜。
駐車場が閉鎖されている事は知っていたけど、どこまでの範囲が閉鎖されているのかこの目で確かめたかった。
はて実際は…三戸浜から初声漁港(はっせぎょこう)の方まで完全閉鎖。
次に向かったのは浜諸磯。
はて実際は…諸磯青少年センターはもちろん周囲の駐車スペースそして、トイレの前まで完全閉鎖。
どこの浜も想像以上に "きっちり" と閉鎖されている。
仕方がないので、いつもは空いている民宿の駐車場に停めようとしたものの、なんと!! ほぼ満車。
釣り人は自分以上に早起きだってことを忘れていた。
なんとか奥に停められるスペースがあることを確認し、民宿に休日料金を払いに行く。
「駐車場お借りします。」
「あっ停められた?」
「はい、奥が空いていました。最初は三戸浜に行ってみたんですが、漁港の方まで全部閉鎖されてました。」
「あらそう〜…子供会でも利用できないので困っちゃうのよ〜。釣り?」
「いえカヤックです。漁港のスロープを使わせてもらってもいいですか?」
「うん、もちろんいいわよ。」
困っているのは我々だけではないようだ。

P6200001.jpgコンクリートの上で快適にカヤックを組み立て準備完了。
今日はスノーケルも持ってきたけど、どうも潮の透明度はイマイチっぽい。

P6200002.jpgスロープで足を滑らせないようにしながらカヤックを海に下ろして出艇。
天気は最高である。

P6200004.jpg予想通り潮の透明度はダメダメだけど、空気が澄んでいるので相模湾が小さく見える。
ふとポツポツ浮かんでいる釣り船の中に、赤白のペンキに塗られた沖あじろの灯浮標(ライトブイ)が見えた。
にごにご潮でスノーケルができないので、今日のテーマを変更することにした。

P6200005.jpg沖あじろに到着すると、カヤックの脇を釣り船が猛スピードで駆け抜けて行った。
カヤックの近くでスピードを落としてくれる船も多いけど、シーマンシップを考えない船がいるのは残念。
さて、沖あじろである。
灯浮標の役割りは、暗礁や浅瀬のあるところを示したり、決められたコースを航行するための目印として設置されている。 ※参考:海の道しるべ(外部サイト)
特にこの辺りには、小網代や油壷のマリーナがあるので、夜間航行するヨットの安全に役立っている。
灯浮標は海底に置かれた錘とチェーンでつながっているわけだけど、構造は意外に複雑。
まず小さいとはいえ灯台なのだから、夜間に灯りが点かなければならない。
なら電源は?灯器が切れたら?誰が点けたり消したりしてる?…とか、ちょっと考えただけで疑問がたくさん出てくる。
このページが詳しいのでリンクします。
海上ブイのメカニズム(外部サイト)

P6200006.jpg次は、荒崎沖の亀城灯台に向かう。

P6200010.jpg亀城灯台に到着。
ちょうど同じタイミングで沖あじろと同じカラーのソロカヤッカーが到着したので、ぺこりと挨拶した。
後日この写真をSNSにアップすると、それを見た方からコメントをもらった。
なんと、この沖あじろカラーのカヤッカーは、金沢区の海の公園まで漕いで行ったらしい。行程65キロ!!
私にはとても真似できません。

kaizu_20200620.jpg参考までに、この辺り一帯の海図。
このブログの一番下にある航行マップと比べて、沖あじろや亀城礁の位置を重ねわせて見てると、この辺りの海底がどんなふうになっているのかイメージできると思う。

P6200013.jpg亀城灯台からはコースタルカヤッキングに切り替えて、昼飯を食べる場所を物色する。
デッキバッグに入れたドーナツのチョコレートが半分溶けていたので、エビカ浜に寄って海上で頬張る。
時々目の前の浜にびっくりするような大波が押し寄せている。

最初に向かったのは、諸磯のいつもの浜。
ところが、着いてみるといくつものテントが建っている。当然ながら灯台の辺りも人が多い。
これでは落ち着いて食事ができないので、油壷マリーナの手前にある小さな浜に行ってみる。
しかし、人が近づけないのはいいものの、イマイチ浜の雰囲気が良くないので却下。
荒井浜を見に行く。やはりテントが建ち並んでいる。
ふむ…完全な昼飯難民状態である。
こうなったら浜は諦め、出艇した漁港に帰還して昼飯を食べることにする。

IMG_3662.jpg誰もいない漁港の隅で昼飯。
目の前をマリーナから出てきたヨットがゆったりと通り過ぎたりして、なかなか快適である。
結局、このままツーリングはおしまい。
この日も行程は16キロ。
最近は、全くロングツーリングをしていないので、そろそろ体力測定を兼ねて長い距離を漕いでみたい。

map_20200620.jpg