エビカのオヤジは生きていた
2013年2月10日 日曜日 快晴 ほぼ無風。
昨日もまあまあの天気だった…にも関わらず、映画「Life of PI」を観賞。
そして今日は農場の真ん中を黒崎の鼻に向かって "歩いて" いる。
金曜日の朝、家の主(私ではない)より、突然の「遊び自粛しなさい令」が発令されたことで、3連休に予定していたツーリングを泣く泣く自粛しなければならなくなった。
一冬に一回有るか無いかという絶好のコンディションだったのに…誠に残念である。
黒崎の鼻は、この草むらを抜け細い尾根道を歩いて行った先にある。
到着。
それほど高い場所ではないが、見晴らしは抜群。
右手には長浜(俗に言う「なはま」)から荒崎、左手には三戸浜から油壺に続く海岸線が一望でき、正面には富士山がドンとある。
海況は案の定文句無し!
1艇のカヤックが長浜から出艇し、気持ち良さそうに城ヶ島方面へ向かっていった。
私は気持ち良さそうに、ココで一服することにする。
潮が引いていたので、そのまま海岸線を三戸浜方面に向かった。
ここでも、釣り人が気持ち良さそうに釣りをしていた。
三戸浜を通過し、そのまま海岸線を進んでいく。
砂浜が終わり、滑りやすい岩場を抜けた所にあるのがエビカの浜だ。
ここには、昔一人の男がテントを張って住みついていた。
⇨荒井浜の住人と化す 〜荒井浜周辺〜
ところがいつの日からかテントが無くなり、その男の姿も見えなくなっていた。
上陸するのは、この隣りにあるホモビー(名前の由来は調べてみてほしい)だけで、この浜には一度も上陸したことがない。
エビカの浜のテントがあった辺り。
奥に物干場が見える。
薪として集めたんだろうか?
流木やちぎれた枝が沢山あり、なんだか、つい最近まで住んでいたような雰囲気がある。
その場所から海を眺める。
浮き世を離れ、"エビカのオヤジ" は、毎日毎日、昼も夜もこの景色と一緒に暮らしていた。
エビカの浜の存在を知ってから3年…やっとその場所に立つ事ができて、ちょっぴり感慨深い。
ホモビーで昼飯にする。
シェラカップにサケ缶を開け、スライスチーズを乗せて一煮させ、ブラックペッパーをかけてサクッと一品目ができあがり。
カレー用のご飯を温めている間に、ビールとワインで一息ついた。
ホモビーには、年配の人が乗った1艇のシーカヤックと、アルフェックのタンデム艇が相次いで上陸し、気持ち良さそうに昼飯を食っている。
そしてもう一人、腹をすかせた方が私の近くに寄ってきた。
少しだけ彼の要求を聞いてあげると、彼も気分を良くしたようだ。
昼飯を食っていると、一人の男が洗面器とペットボトルの上を切ったやつ(?)を持ってエビカの浜の方からやって来て、近くで不思議な行動を始めた。
一生懸命水を汲んでは別の場所に流し込んでいるが、何をしようとしているのか皆目わからない。
年配のカヤッカーが教えてくれた。
「そのうち裸になって風呂に入ります。あの人はここに住んでいる人だから…」
え〜〜!!
エビカのオヤジは生きていた!
家に帰り、写真を引き延ばして見ると、洞窟の中にテーブルの様なものがあり、ヤカンなんかが置いてある!
私は人の "家" を盗み撮りしたらしい。
これからも、エビカの浜は三浦で一番の秘境のままだ…。
ホモビーから丘に上がり、小網代の森を迂回して油壺に向かう。
ちなみに、小網代の森は湿原環境の整備の為、2014年の春まで通行自粛を要請している。
⇨小網代野外活動調整会議
⇨自然環境を守る「小網代の森」
油壺ヨットハーバー。
ここのマリーナは、独特の雰囲気があってとてもイイ。
こちらは広々した油壺京急マリーナ。
日中はジャケットを脱いで過ごせたが、陽が陰って少し寒くなってきた。
三崎に到着。
17時にお目当ての店が開店するので、それまで少し時間をつぶす。
なんだか人が異様に多い。
開店と同時に着席!
この店のヤキトリは、私が知っている限り、ダントツで美味い!
芸術品の様なヤキトリを熱燗で流し込めば、どんな疲れも吹っ飛ぶ美味さに感動する。
気分よく帰りのバスに乗ったら、運転手さんが車内にアナウンスした。
「え〜三崎口駅までは2時間くらいかかると思いますが、よろしいでしょうかあ?」
5キロを2時間!時速2.5キロ?!
発車したとたん、バスロータリーの出口ですでに渋滞している。
こりゃほんとうに2時間かかるかも…
運転手に言って、バスから降ろしてもらい歩くことにした。歩けば1時間ちょっとで着く。
ふ〜〜三崎ウオーキングは最後まで気が抜けない!