フォーミュラ"不細工"選手権 〜美しさを失ったF1〜

2014年のフォーミュラ・ワン世界選手権に参戦する各チームのマシンがほぼ出そろった。
今年はレギュレーションが大きく変更されるということで、マシンデザイナーは多いに頭を悩ませただろう。
レーシングマシンは速くなければ意味がないが、結論から言うと、どのデザイナーも美しいマシンを送り出すことはできなかった。

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F1は、2012年に醜い段付きノーズに変貌し、世界中のファンからブーイングを浴びた。
レーシングマシンは、マシン全体のパッケージと機能が優れていればいいはずなのに、どうしても醜い部分に目がいってしまう。

2014年のマシンは、昨年の時点から「アリクイノーズになる」と予想されていた。
はたして、発表されたマシンのノーズは、ほとんどのマシンが "アリクイの鼻"や"天狗の鼻" を付けている。
それと、フロントウイングにごちゃごちゃ付いてるサブウイングやカナードもかっこ悪い。
これらのマシンを見て「カッコイイ」と言う人間は、この地球上に一人もいないだろう。

見方を変えれば、デザイナーの考え方が形になっていて面白い。
- 美しさは度外視したデザイン
- 妥協できるレベルで美しさを求めたデザイン
- レギュレーションの隙間ギリギリを狙ったデザイン

"天狗の鼻" 型にしたのは、可夢偉が乗るケータハムCT05、マクラーレンMP4-29、フォースインディアVJM07、トロロッソSTR9、ザウバーC33、ウイリアムズFW36。
"ジャージャービーグス" 型にしたのは、フェラーリF14T、メルセデスW05。
昔のウイリアムズFW26の様な "かたちんばクワガタ" 型にしたのは、ロータスのE22。

かろうじて "まあ〜仕方がないか〜" というレベルなのは、ニューウェイがデザインしたレッドブルRB10だけで、それ以外は、呆れるを通り越して "笑っちゃう" レベルのデザインだ。
特にレギュレーションをひん曲て解釈したロータスE22は、ノーズ先端の長さが左右違うというデザインで、インチキな匂いがプンプン。
これで速かったら、各チームからいっせいにクレームがつくだろう。

ちなみに、僕が思う不細工No.1は、フェラーリF14T。

今年は、エンジンも大きく変更されたので、本当はそっちが注目されていいはずなのに、世間の目は見える部分にいっちゃうんだろうなあ。
はてさて、こんな不細工レーシングカーが一斉にスタートしたら、鼻が取れちゃうマシンが続出しそうだけど大丈夫なんだろうか?
開幕レースは3月16日のオーストラリアGPだ。