アルプスまでの道 北八ヶ岳2日目〜縞枯山荘から麦草峠〜
2日目。
晴れてはいないけど雨は降っていない。
台風が目の前に迫っていることを思えば上出来の天気だろう。


朝5時半の出発に向け、準備ができた者から外に出て来た。
ところが約1名の準備がもたもたしている。
心優しい山岳会の面々は「早くしろよ〜」とか「おっせ〜よ」などの乱暴な言葉はいっさい口に出さないが、3人の白い目が心の声を雄弁に物語っている。

今日は昨日に引き続きガスで眺望が望めないので、縞枯山(標高2,403m)と茶臼山(標高2,384m)はパスし、五辻を経由して麦草峠に向かうことになった。
て〜ことは、本日の登りは「ゼロ」。
五辻への分岐に向け、昨日来た道をロープウェイ山頂駅に向かって進んで行く。
黙々と歩く皆の頭の中は、すでに蓼科での温泉&打上げ大宴会で一杯のようだ。

五辻への森林浴ルートに入るとガスが切れ、眺望が開けた。
すぐにガスがかかってしまったので、少しだけしか下界の様子を楽しめなかったが、昨日今日と250メートルしか "登山" をしていないので、ご褒美としては相応なのかもしれない。


![]() |
![]() |
その後は清々しい苔の森を行く。
天気が良ければ別のルートを行っていたはずなので、この道を通るのは一生で一度きりになる可能性大。
そう思うと、今歩いているこの道も愛おしく思えてくる。

歩き始めて1時間ほどで、山荘の主人に教えてもらった「あずま屋」に到着した。
ここで朝飯にする。
それにしても人が少ない…というか誰もいない。

お茶を飲みながらのんびり1時間ほど休憩して出発。
バスの時間は決まっているので、あまり早く麦草峠に着いても意味がない。

ルート探しに真剣な3名と、皆さんにお任せ〜的な1名。
それと撮影係の私。
この配役は毎回変わらない。

もう少しで麦草峠。

バスの時間までたっぷりあるので、麦草峠を通り越して白駒の池まで遠征。
ここでもガスで何も見えなかった。
ところが神はいた!
たった1分間だけだったけど、立ちこめていたガスが手品の様になくなり、対岸まで見渡すことができた。


麦草峠までは、2組に分かれて向かうことになった。
ルート探しに真剣だった3名は筋肉痛を訴えて車道を通り、皆さんにお任せ〜的な2名は元気に来た道を戻った。
かかった時間は同じ。
バスの出発までにそれぞれが昼飯。
皆は麦草ヒュッテに蕎麦を食べに行き、私は荷物番をしながらジャコの和風パスタを作って食べた。
この夜、標高1,250メートルの温泉宿で消費された酒は、500mlの缶ビール5本、350mlの缶ビール1本、500mlの缶酎ハイ1本、ワイン1本、焼酎1本、日本酒8合、ウイスキー180ml、それと宿の冷蔵庫に入っていたカップ酒。
明日は台風の中、朝一番のバスとあずさ12号で帰る。
(あとがき)
今回のシューズは先日ソールを張り替えたライケル。
履き心地も変わらず、中が濡れる様子もなく、まったく問題ありませんでした。
⇨8年目の決断
