IS-AMU Log.

夜は気温が4℃まで下がった。
足が冷たくなったので、ザックの上に足を置く。

5時前に寝袋を抜け出しテントの外に出ると、あちこちのテントに明かりがつき、すでに出発する人もいる。
山の朝は早い。
風はなく、徐々に明るさを増す東の空で山々が黒いシルエットになって浮かび上がってきた。

5時30分、背後に並ぶ北穂高(3106m)、涸沢岳(3110m)の峰々に朝陽が当たり真っ赤なモルゲンロートが出現した。
素晴らしいエンターティンメントに朝から興奮する。
あ〜〜来てよかった！

その20分後には、モルゲンロートは消え去り爽やかな朝の光がカールに降りてきた。

朝飯を済ませ、熱いコーヒーを飲みながら空の移り変わりを楽しんでいると、濁りのない青空が広がり真っ白な雲が散りばめられた。
気温も上がり、もうジャケットは着なくても大丈夫。

テントを撤収し下山開始。
パノラマルートへの分岐点には、やっぱり通行禁止の立て看板があった。
仕方がないので、昨日のルートを折り返すことにする。

昨日よりも天気がいい。
雲が沸き立ち、上空に立ち上がっていく。
なんだか山を下るのがもったいないように感じる。

向いの山からは、ゴウゴウと音をたてて沢の水が流れ落ちている。
山のてっぺんのどこにこんな大量の水があるのかと不思議に思う。
どこを見ても美しい。

そして本谷橋の休憩ポイント。
この小さな橋は、隣りの吊り橋の脇にかかっている。そして今日は土曜日。今日山を下りる人と入れ替わりで、より多くの人が山に入っていく。

マイペースで下っている脇を多くの人が追い抜いて行く。みんな歩くのが速い。

横尾まで下ると、もう危ない場所は無い。
ビールを飲みながらパスタとトマトで昼飯にする。

梓川は今日も清く、前穂高は今日も凛々しい。

河童橋の辺りで、上高地らしい写真を撮ってみた。

登山帰りの人達は、観光客に比べて早足で歩いているのですぐわかる。
ヘルメットをザックにぶら下げ、足早に私を追い抜いていった小柄な女性は、ビジターセンターの手前にある日帰り入浴施設に向かっていった。
そこでさっぱりして、帰途につくのだろう。

沢渡に向かうバスでは、私よりも年配な山帰りの男性と隣り合わせになった。
話しを聞くと、今回は槍から奥穂高にかけて縦走してきたらしい。
昨日テントを見失った人も私より年配だったし…。
よし、次回は上高地から前穂高に上がり、奥穂高に抜けるルートを歩いてみよう！