ウツボは陸に上がる 〜入間周辺〜

伊豆では6月から9月までキャンプができなくなる。
前回のブログにも書いたように、海水浴場や主要な海岸でキャンプ禁止になるのはわかるんだけど、無人の浜でのキャンプもいけないんだろうか?
いつも疑問に思っている。

珍しく海況のいい週末が続いている。
今週末も大丈夫そうだ。
いつもの仲間達に連絡すると、ハマちゃん、キッカー、ワンチャンが参加表明。
いつもの浜で集合することになった。
毎週のように伊豆でキャンプをしているキッカーは、先週は釣り上げたアカハタとカサゴを肴に “美味しいキャンプ” をしたらしい。
当然ながら、今回は我々のためにアカハタを振る舞わなければならない。
そして、ワンチャンは去年の7月以来のカヤックになる。
一時芽生えていた漕ぎ魂は遥か宇宙の彼方に消え去り、今回一番の目的は、キッカーの釣果をあてにした “刺身で一杯” のようだ。


5月21日 土曜日、私は出艇場所を決めないまま西湘を飛ばし、とりあえず伊豆に向かう。
ワンチャンは法事で参加が見送りとなり、“刺身で一杯” はお預けとなった。
みんなはどこから出るんだろう?

どうやら私の漕ぎ魂もいつの間にかダイソンの掃除機に吸い取られてしまっているようだ。
キャンプ地まで30分‼の入間に到着すると、キッカーの車が駐車してあり、ハマちゃん親子がJavaを組み立てていた。
ふむ…ここにも漕ぎ魂が抜け落ちた人がいて安心する。

(あとがき:2017-11-3)
残念ながら、入間はカヌー禁止になりました。

入間 南伊豆 フェザークラフト Java昼飯を食べてから出艇。
私と同じように、ハマちゃんも狭い場所からカヤックを出すのが好きなようだ。
先に出艇し、本日の任務をこなしているであろうキッカーの姿は見えない。

入間 南伊豆とりあえず “時間つぶし” にヒリゾ浜の方へ向かう。
海上はベタ凪で、Javaのシルエットが美しい。

入間 南伊豆入間 南伊豆潮の透明度は絶好調で、春らしい海が広がっている。
岩場で写真を撮っていると、入間から出た小型の漁船から怒声が飛んできた。
「早く行けよ!」
「待ってますからお先にどうぞ。」
「そこ通るぞ!」
どうも、虫の居所が悪いらしい。

P5210023.jpg海は綺麗なのに、海上には所々にゴミが浮いている。
コンビニの袋が多い。
この辺りは、渡船で運ばれてくる釣り人が多いので、風で飛ばされてしまったのかもしれない。
回収しながらカヤックを進める。

ヒリゾ浜ヒリゾ浜ヒリゾ浜で上陸したハマちゃん親子と別れ、私は先に進む。
ちなみに、スノーケル客を浜まで運ぶ渡船の運行は、今年は7月3日(日曜日)から始まり静かな浜は人で溢れかえる。
その前にもう一度ここを訪れるチャンスはあるだろうか…。

南伊豆岩のゲートをくぐって、いつも昼飯を食べる浜も覗いてみる。
ここにも誰もいない…というか、こんなに海況のいい週末にも関わらず全くカヤッカーを見かけない。
いったいぜんたい皆さんはどこに行ってるのだろうか?

大根島 南伊豆大根島 南伊豆帰りは沖出しし、大根島を右に見ながら戻ることにした。
ヒリゾ浜側と違い、外洋側は水深があるので海の色は紺色。沿岸ツーリングではあまり見ることができない色なのでワクワクする。
ただし釣り人も多いので島に近づくことはできない。

P5210041.jpg逆に、あまり近づきたくない島。

P5210044.jpgどうやってできたんだろ?…って想像力をかき立てられる不思議なゲート。
当然下をくぐって向こう側に抜ける。

三石岬に近づくと、沖にオレンジ色の旗が見えた。
キッカーがいる。
カマノに鞭を入れ、ダッシュで近くに行ってみるとキッカーが海に落としていたストリンガーを引き上げた。

シーカヤック フィッシングやった!
でかした!
後ろから追って来たハマちゃんに、頭上で丸印を作ってサインを送ると、パドルから手を離して大喜びしている。
ワンチャンの悔しがる顔が目に浮かぶ。

富戸の浜ひょっとしたら先客がいるかも…と思っていた富戸の浜は、結局今回も貸切。
はてさて、関東のカヤッカーの皆さんは、どこで楽しんでいるんでしょう?
それにしても…
無人だと思っていたこの浜にも、いつの間にか管理人さんが常駐していた。

IMG_7515.jpgIMG_7518.jpgいつまでココにいるかわからないけど、この浜にやって来たカヤッカーは、まずこの方に挨拶をしなければならない。
そして、焚き火スペースでは丸顔の監視人が目を光らせている。
間違っても頭を叩いてはいけない。

P5220085.jpg前回見つけた「吉田 1.6Km (40分)」の標識は場所が変わっていた。
せっかくなので、今回は背もたれとして活用してみる。

P5210069.jpg波打ち際で釣った魚を捌くキッカー。
それをカモメが瞬きもしないで(?)ジッと見ている。
海中からはいつの間にかウツボがやって来て虎視眈々とおこぼれを狙い、波と一緒に砂浜に打ち上げられたりしている。
調べてみたところ、ウツボは皮膚呼吸ができるらしく30分位は陸上にいられるらしい。
昔、ウツボを網で焼いて食べたことがあるけど、白身でなかなか美味い。
捕まえて捌く勇気があるなら、棚から牡丹餅よろしく労せずして釣果に加えることができるかもしれない。

IMG_7520.jpgP5210083.jpg念願の刺身が配給され、煮付けも出てきて熱燗が美味い!
ハマちゃんからは、カモやローストビーフのお裾分けを頂き、これまた美味い!
いつもありがとうございます!

夜がふけ、朧月夜に照らされながら静かに時間が過ぎていく。
今日は波の音よりも川の音が心地いい。

富戸の浜 フェザークラフト ウィスパー二日目。
昨日食べた鍋の残りにお湯を加えて作ったスープと、鯖めしでしっかりと朝飯を食べ、コーヒーを二杯飲んでから撤収を始めた。

富戸の浜 フェザークラフト Java富戸の浜 バタフライカヤックス クルーソー今日の私も漕ぎ魂はゼロ。
30分漕いで入間に戻り、道路が渋滞する前に家に帰ることにする。
ハマちゃん親子は北に向かい、キッカーは引き続きこの辺りの海底を調査するらしい。
Javaはオープンデッキで荷物が沢山積み込める印象があったけど、実際は二人の人間が乗ってしまうと、荷物スペースはあまりない。

P5220106.jpg三石岬 入間みんなと別れ、一人に戻った。
千畳敷で後ろを振り返ると、朝陽に照らされた美しい三石岬があった。

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