東伊豆の試練 〜片瀬白田から川奈〜

2月9日 金曜日。
1月中は土日・祝日も関係なく黙々と働いたので、天気も海況も良さそうな平日に休むことにした。
目的地は東伊豆。
逗子〜三崎の "打ち上げ一杯付き漕ぎ" と最後まで迷ったものの、寝る直前に伊豆の "お泊まり付き漕ぎ" で決定。
泊まる場所は、伊豆高原にある友人のやってるペンションか伊東、もしくは頑張って下田の3ヶ所が候補にあり、その時の気分で決める事にした。

初島 日の出朝5時過ぎに自宅を出発。片瀬白田の小さな浜に向かって車を走らせていると、熱海を過ぎた辺りで陽が昇ってきた。
天気予報は当たりそうだけど、風波予報は微妙。
風は終日強くは吹かないものの、1〜2m/sという情報もあれば、5〜6m/sという情報もある。
波は海快晴によると、0.7〜1.0メートルとなっている。
東伊豆は上陸できる場所がほとんど無いので、風波が予想を超えて強まると厄介な事になる。

片瀬白田片瀬白田は、浜の近くに無料の駐車場があり、コンクリートの上でカヤックを組み立てられるので便利。
そして、駅からも近いので、東伊豆をワンウェイで漕いで電車で戻って来るには都合がいい。
ただし、赤沢までは見るべき所は無い。あえて上げるとすれば熱川や北川(ほっかわ)の温泉街を海から眺め、コーヒーでも飲みながら部屋でのんびりしてるだろう宿泊客と海の上でパドルを振り回している自分とのギャップを楽しむ事くらいだろう…。
もし、ゴールを伊東にするなら、大川磯の湯の横の小さな浜から出発した方がいい。
9時に出艇。
浮かんだ瞬間から、数メートル下の海底がクッキリと見えて気持ちがいい。
波は無く、風は北東から5〜6m/s。

熱川温泉熱川温泉。

赤沢 東伊豆 溶岩台地八幡野 東伊豆 溶岩台地赤沢の岬を越えると、川奈までは独特な溶岩台地が続く。
今日の昼飯休憩場所は、富戸のぼら納屋を予定している。
赤沢から富戸の先までは大室山の溶岩で形成され、そこから川奈までは小室山の溶岩が海に流れ落ちた。
大室山はともかく、小さな小室山のどこから膨大が量の溶岩が噴出したのか不思議である。
大室山と城ヶ崎海岸全体がわかる写真(外部)

場所によっては断崖に当たった波が反射して三角波を作っている。
所々にいる釣り人は、思ったよりも遠くまで糸を投げている場合があるので、邪魔にならないように注意深く進んでいく。

門脇灯台 城ヶ崎門脇灯台の下を通過し、吊り橋の所まで来た。
平日なので観光客は少ない。
ここから、ぼら納屋のある小さなゴロタの浜までは、めんどくさい三角波が続いていた。

ぼら納屋 富戸 東伊豆ぼら納屋に到着。
残念ながら、ゴロタ浜には上陸しなかった。
上陸しようと思えばできない事もなかったが、もうカヤックのスペアパーツは手に入らない。
短い周期で波が押し寄せるゴロタ浜への上陸は避けた方がいい。
東伊豆を漕ぐ時は、無上陸になってもいいようにカヤックに乗ったまま食べられる食料を手元に置いてある。
パンとバナナで簡単に腹を満たし、次の上陸ポイントである川奈に向かう事にする。

富戸 東伊豆産衣石(うぶぎいし)のある宇根岬に向かってカヤックを進めていると、右後方から船のエンジン音が聞こえて来た。
その漁船は、数メートル離れた横を通過したあと、カヤックの目の前を横切り、蛇行しながら進んで行った。
速度を落とさず、わざとカヤックの横や前を通過し引き波をタップリとぶつけて来た。
漁師さんは、尊敬できる人が多いけど、時々シーマンシップのわかっていない漁船やダイビングショップのボートがいるので注意した方がいい。

東伊豆 溶岩台地東伊豆 溶岩台地ずっと向かい風、そして重い海を漕いで来たので、左腕が痛くなってきた。
頑張って退屈な海岸線を漕ぎ抜けると、やっと川奈の灯台が見えた。その先には富士山も見える。
駅まで歩いていける伊東オレンジビーチに向かいかけたが、カヤックを乾かす時間が作れる川奈で撤収する事にした。

いるか浜 川奈いるか浜に上陸。
相変わらず、ジャリ浜の段差がすごい。
荷物とカヤックを引き上げ、着替えをしてから遅い昼飯にした。
もう少ししたら陽は山の影に隠れてしまうけど、カヤックはしっかり乾きそうだ。
今日の最高気温は8度。
Reedのフリースインナーと新調したドライトップで終始快適だった。
ただし、このゴムみたいな素材でできたドライトップは脱ぐと思ったより重くて嵩張る。
少し寒い時期に電車や飛行機を使って遠征する人なら、KokatatのTecTour Anorakのようなウェアの方がいいかもしれない。高いけど。

カヤックをたたみ、川奈駅まで連れて行ってくれるタクシーを待つ間で宿に電話した。
考えた末、勝手知ったる下田に行く事にする。

IMG_4266.jpg宿の温泉で長い一日の疲れを癒し、居酒屋でビール開始。
たぶん、この後も長い。

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