大人になれない国

ずいぶん前から思っていた。
テレビは、芸能人のおしゃべりと外国人に聞いた素晴らしい日本…みたいな番組ばかりだし、ニュースは政権に忖度した薄っぺらなものばかり。
電車の中では、子供も大人もスマホのゲームに夢中。
映画は、アイドルや人気俳優を使った子供騙しのファンタジーや謎解きばかり…だと。

そういう自分も、最近は電車の中でニュースやSNSに投稿されたコメントを読んでいる事が多く、あまり本を読んでいない。ちなみに、今読んでいる本は吉村昭著の「漂流」。
唯一以前と違うのは、映画を観る機会が増えた事。
しかし、観るのは主に洋画で、昔好んで観ていた日本映画はほとんど観ていない。
最後に観た日本映画は…1年くらい前の「恋妻家宮本」。

この1年、映画館で観た映画で印象に残っている作品を思い出してみると…
LA LA LAND(ラ・ラ・ランド)

Allied(マリアンヌ)

DUNKIRK(ダンケルク)

THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI(スリー・ビルボード)

レンタルやケーブルテレビで観た映画でよかったのは…
THE FENCER(こころに剣士を)

HIDDEN FIGURES(ドリーム)

THE MAGIC OF BELLE ISLE (最高の人生のはじめ方)

全て原題と邦題を併記してみた。
原題をそのまま邦題にしたものはまぁ問題無いし、「マリアンヌ」は邦題の方がいいと思う。
でも「こころに剣士を」や「ドリーム」「最高の人生のはじめ方」と言う邦題は、短絡的で映画の本質を伝えていない。

ラ・ラ・ランドについては、劇場で5回観た後でDVDも買ったほどお気に入り。
LA LA LAND
そしてこんな大人なパロディも作られていて楽しい。

海外の俳優は努力して成功した人が多いからなのか、国や権力者からの圧力に立ち向かう強さがある。

ゴールデン・グローブ賞スピーチ
メリル・ストリープ

ジョージ・クルーニー

ハリウッド女優がセクハラ抗議

数は少ないし団結力もないけど、もちろん日本人の中にも何人かは自分の考えをはっきりと言う方がいる。
吉永小百合さんと岸恵子さんが原発問題や国際情勢について日本記者クラブで会見した様子

坂本龍一さんが語る「日本」

しかし、著名な日本人の多くは何も語らず、まるで何も考えていないかのようだ。
試しに日本アカデミー賞授賞式の様子とスピーチを検索して観て欲しい。
悲しくなる。

どうにも日本には大人の感性に訴えかけるものが少ない。
もちろん、日本にだって素晴らしい才能を持った芸術家やアーティスト、スポーツ選手が大勢いる。
大人が大人の為に企画したイベントやコンサートなどもある。
しかし、多くの大人が興味を持って"追いかける"のは、アイドルや若い男性や女性ばかりだ。
どうも日本人の興味の対象は異性ばかりで、他人の才能を楽しむ…という文化がないのかもしれない。
他人の才能を楽しめないのは、他人を認める感性がないからで、SNS上に誹謗中傷が多いのもうなずける。
国を動かす政治家や官僚が子供じみているのも、国民が大人になりきれていないからなのかもしれない。