さよなら富浦 1日目〜南房総〜

6月最初の週末。
珍しく、土曜日から日曜日にかけて穏やかな海況予報である。
ところが、伊豆はキャンプ禁止期間(6月〜9月)に入ってしまい、ロングツーリングをするには電車とバスで移動し、泊まりは民宿などを使うしかなくなってしまっている。
いつも思うのだが、海水浴場でもなんでも無い、誰もやって来ない人里離れた海岸でもキャンプは禁止なんだろうか?
しかし、伊豆の老舗アウトフィッターである「西伊豆コースタルカヤックス」もこの時期はキャンプツーリングを行っていないので、外の人間が地元の人が守っているルールを破る事はできない。

そして、この週末は西伊豆の岩地をスタート&ゴールに開催される「伊豆松崎町シーカヤックマラソン」があるので、そのエリアには立ち入れない。
ちなみに、この大会は20回目の今年が最後の大会となる。
たくさんの人が集まるイベントにはとんと縁がないけど、長く地元の人に歓迎されてきた大会が終わってしまうのは残念な気がする。

さて、私はどこで遊びましょ?…と考えること1分。
4年ぶりに千葉へ行ってみる事にした。

IMG_5671.jpg前回千葉で漕いだのは2014年4月だったので、丸々4年間ご無沙汰していたことになる。
そして、"積極的" に千葉の海に来るのは初めて。
積極的千葉の勧め

今回は、ちょっと楽をして車で移動し元名海岸から出ることにした。
行き先はいつもの富浦である。
ウェアは、ショーツにラッシュの夏モード。
水温もだいぶ暖かくなっている。

P6020062.jpg正面に見える島は浮島。
映画「不思議な岬の物語」では、舞台になる喫茶店が明鐘岬(みょうがねみさき)にあり、コーヒーに使う水を浮島まで汲みに行くシーンがある。
実際の浮島は個人所有の島なので、基本的に通年上陸禁止だし湧き水も出ない。
しかし、明鐘岬の喫茶店は「岬カフェ」という名前で実際に営業しており、映画と同じ風景を見ることができる。

P6020063.jpgみさご島の沖側を通って勝山漁港の裏に抜け、小さな入江の磯浜で昼飯。
ちょうど干潮時間帯だったので、カヤックの底をぶつけないよう慎重に上陸した。
本日の昼飯は、ダイエット中の私にぴったりなツナ缶おにぎりチャーハン。
コンビニで買った梅のオニギリとツナ缶だけで作れる、超簡単で美味しい一品。

P6020068.jpgP6020070.jpg13時に離陸。
南無谷崎に向かって、カヤックを進める。
この時間帯の風予報は1〜2メートルのはずなのに、なぜか風に押された波が西からやって来る。
風が上がり始めるのは15時くらいからだったので、予報よりも2時間早く吹き始めたようだ。
ただ、今日は風が上がると言っても5〜6メートル程度なので、心配はいらない。

P6020072.jpgP6020074.jpg南無谷は思ったよりも潮が澄んでいなかった。
スノーケルは宝の持ち腐れになってしまったけど、海の色は明らかにここから変わる。
富浦の集落は南無谷崎を回り込むまで見えない。

IMG_5673.jpg富浦に上陸。
浜の様子は、4年前とは少しだけ変わり、町民が作ったベンチと日除けが何箇所かできていた。
カヤックを動かす前にクーラーの中からビールを取り出し、桟橋に腰掛けて一息ついてると、やたらとカメラを持った人がいることに気がついた。
桟橋の袂から桟橋を狙って写真を撮っている。
これじゃ桟橋と一緒に変なオジサンが写り込んでしまうので、なんだか居心地が悪い。
仕方なく、浜にあるベンチに移動してぼんやりしていると、何やら次から次にデカいカメラを抱えた人がやって来る。
今日は人が多いなぁ〜と思いつつ、カヤックを草むらに移動した。

宿のシャワーでさっぱりした後、持ってきたワインを片手に海岸のベンチに戻ってみると、なんだかさっきよりも人が増えてる。
ほとんどの観光客は館山に行ってしまうので、この時期に海岸を歩いている人は、犬を散歩させている地元の人だけ…のはずだ。
ところが、あるカップルなどは桟橋をバックに女性がポーズをとり、男性が一生懸命写真を撮っていたりする。
しまいには、三脚が何本も立ち並んでしまった。
これはおかしい。
地元の人とおぼしき人に、「これはいったいどういうこと?」と質問して理由がわかった。
どうも何かのテレビ番組(忘れた)で紹介されてから人気が出始め、最近ではこの桟橋の夕日を見るツアーもあるそうだ…という話を聞いていたら、なんと本当に旗を持ったガイドさんがツアー客を引き連れてやって来た。

IMG_5678.jpg夕飯の時間になったので、浜を後にする。
あ〜〜富浦に観光バスが来るなんて…あの静かだった浜はもう無くなってしまった。

(2日目につづく)