沖縄県民の意思にどう応えるか -2.24 沖縄県民投票-

IMG_8741.jpg2019年2月24日 日曜日、沖縄県で「辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票」が行われた。
沖縄での県民投票は、1996年に行われた「日米地位協定の見直し及び基地の整理縮小に関する県民投票」に続き2回目。
どちらの県民投票も基地問題というところが沖縄らしい。
今回の県民投票は「条例」に基づく住民投票なので、その結果が法的な拘束力を持つわけではないが、沖縄県民の民意を明確にするという意味では大いに価値がある。

結果は、投票総数の「72.2%」が反対で、賛成の19.1%を大きく上回った。
それだけではなく、全ての市町村において圧倒的に反対が多かった事も大きなポイントである。
一部では、普天間基地のある宜野湾市と辺野古のある名護市が基地移転と埋め立てに賛成しているから意味が無いなどの意見を言っている人もいるが、その両市で行われた市長選では、埋め立て問題への言及を避けたインチキ候補者が当選しただけで、辺野古の埋め立てについて住民投票が行われたことはない。

「辺野古」県民投票の会
声明文

IMG_8688_20190227.jpgそして、投票日からわずか3日後の2月27日、今回の県民投票の仕掛人である「「辺野古」県民投票の会」の代表である元山氏が東京で報告会を開くという情報を目にしたので、急遽仕事のスケジュールを調整して参加してきた。

場所は、国会議事堂の裏にある衆議院第二議員会館。
国会議事堂前駅で下りるのは、いつもデモの時なのでこんなに静かな "国会議事堂前駅" は初めてだった。
民主主義を守る戦い 〜首相官邸前デモ〜

報告会の前半は、県民投票を行うまでの経緯と結果の報告それと、今後の課題などについての話があり、後半は参加者との質疑応答に充てられた。
参加者からの「今後はどのような活動をされるんですか?」という質問に、元山さんが「まだ僕に何かをさせるんですか?」とジョークとも本音とも取れる受け答えをしていたのが印象に残っている。
たしかに元山さんの言うとおりである。
沖縄県の皆さんは辺野古の埋め立てについて「反対」という意思を明確に表明した。
後は、政府や沖縄以外の地域に住む我々がその民意をどのように受け止めるかにかかっている。
政府の考えは "民意は無視する" という事でハッキリしている。なぜなら県民投票が告知された後も、投票当日も、そして投票結果が示された翌日以降も、辺野古への埋め立ては継続されているからだ。

何度でも言うが、辺野古は基地問題ではない。
政府が基地問題に見せかけているだけで、これは公共事業に関わる利権の問題だと私は思っている。
辺野古埋め立て阻止への戦い

基地問題として戦う限り、沖縄から離れて住んでいる "政治に無関心な人達" が「自分達の問題」として考えることは、残念ながら期待できない。
まして、メディアが死んでいる今日の日本では非常に難しい。
ではどうするか…、沖縄県に対する政府のパワハラを問題にしてもいいし、珊瑚の海の埋め立てに反対してもいいし、新たな基地建設に反対してもいい。
この問題が「沖縄の問題」ではなく「日本の問題」だと気づいた人達が、それぞれの方法で地道に声を上げ続けるしかない。

そして、みんなが辺野古に注目している間に、沖縄では石垣島や宮古島で、着々と自衛隊の基地が建設されている。
沖縄に押し付けているのは、米軍の基地だけでは無いのである。

henkosea.jpg© 「辺野古」県民投票の会