大河の旅 浜松1日目〜政次、中野と奥山そして瀬名姫〜
私は2017年に放送されていたNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」のファンである。
残念ながら録画は第14回「徳政令の行方」からしか残っていないが、繰り返し年2回づつくらい観ている。
主人公である井伊直虎は遠江(とおとうみ)にあった井伊家の領主。
井伊家は現在の静岡県浜松市北区引佐町井伊谷にある「龍潭寺(りょうたんじ)を菩提寺とする一帯で、詳しいストーリーはNHKのページを見てもらうとして、2017年に大河が終わった時から一度行ってみたいと思っていた。
⇨大河ドラマ「おんな城主 直虎」
⇨井伊家の歴史年表
そして、やっと、とうとう天気の悪い10連休の前半に "行こう!!" と思い立った。
カヤックを持たず、登山靴を履かないで行く旅は、久しぶりである。
日程は二泊三日。
行ってみたい場所は固まっているので、うまく探し出せれば一日で見て回れるかもしれないが、せっかくの旅なので、二日目の宿は予約をしないで、行き当たりばったりの気分で動くことにした。
まず向かった先は井伊谷城跡。
現在、この城は残っていない。
ドラマでは平地にあるような設定だけど、実際には標高110メートルほどの山の上にあった。
井伊谷城跡から下った所には二宮神社があり、その傍に但馬社があった。
実は私、主役の井伊直虎はもちろん好きなんだけど、このドラマは脇役に好きな人が多い。
最後まで悪役を演じた「小野但馬守政次」、直虎の家臣であった「中野直之」と「奥山六左衛門」そして、家康の正室でありながら殺されてしまった「瀬名姫」。
そして、さっそく小野政次に行き当たった。
どうやらこの近くに供養塔もあるらしいというので、近所を探したところひっそりと佇む供養塔を見つけた。
どれが小野政次のものなのかはわからない。
実際の小野政次は悪者だったのだろうか?この旅はドラマの中の人物を辿るのが目的なので、特に観光コースになっていない道端にあるこの供養塔はいかにも小野政次らしく、思わず手を合わせてしまった。
「白黒を つけむと君を ひとり待つ 天伝う日ぞ 楽しからずや」
高橋一生さんが演じた小野政次は素晴らしかった。
次に向かったのは、井伊谷の井戸。
井伊家は井戸端の捨て子が起こした国…という史実に基づき、ドラマの中で何度も登場するその井戸である。
森の中にある井戸のイメージだったその井戸は、田んぼの真ん中にポツンとあり若干拍子抜けな感じ。
そして、ドラマの中のシーンよろしく中を覗き込んでみた。
満足!!
次に向かったのは、井戸のすぐそばにある井伊家菩提寺の龍潭寺。
WEBサイトでも「次郎法師(井伊直虎)ゆかりのお寺です。」と紹介しているので、観光客も多く、駐車場にはお土産物屋さんもある。
寺は庭園が有名らしい。
調べたところ日本庭園にはいくつかの種類があり、この寺は池に水をはった「池泉庭園」というものらしい。
ちなみに、池に水をはらないのが「枯山水庭園」というもので、これは聞いたことがある。
庭園を眺められる書院では、池の形や石組みについて説明するテープが流れているが、庭園素人である私には「ふ〜ん…」くらいにしかわからない。
寺の奥にある井伊家の墓所。
「直虎」の墓は5つ並んだ墓の奥から2つ目で、「直政(幼名「虎松」)」の墓は一番手前。
この写真の右側にある大きな墓は直虎の父「直盛」のものである。
井伊家墓所の隣には、井伊家を支えた家臣達の墓がある。
ここには観光客はほとんど来ないが、個人的にはこの場所が非常に興味深かった。
なんと中野家と奥山家の墓が並んでいた。
そして中野家の墓標をよく見ると「中野直之」の名前が!!
大河ドラマ「おんな城主 直虎」のファンとして、思わず小躍りしてしまった。
残念ながら「奥山六左衛門」こと「奥山朝忠(おくやまともただ)」の名前は無く、父親の「朝宗」の名前だけがあった。
今思えば、別の墓があったのかもしれない。
そして、もっと奥の方にあったのが「近藤康用(こんどうやすもち)」の墓。
も〜満足度 120%である。
脇役達の墓を見つけて、大満足になった私は、ニコニコしながら仁王門をくぐり、山門に向かっていた。
すると何やら大きな木があり、説明プレートが立っていた。
そこには「梛の木」と書いてある。
なんと、直親の正妻「しの」が、徳川の人質として松下家に嫁ぐ際に植えた木がこんなに大きくなっていた!!
ますます満足して、龍潭寺の山門をくぐった。
まだ時間があるので、2日目に行こうと思っていた「瀬名姫(築山御前)」にまつわる場所に向かった。
ここは、家康の家臣が瀬名姫を切った刀を洗った池の跡。
この場所は駐車場に車を停めた人の出入り口近くにあり、案内板を読んでいる人もいなかった。
そして、残念ながら池はもう無く、近くに用水路のような川が流れているだけだった。
瀬名姫が家康の家臣に捕らえられた湖があるので、歩いて行ってみた。
ここは佐鳴湖(さなるこ)の小藪(こやぶ)という所で、この場所に小舟で着いたところを捕らえられ首を刎ねられた。
ゴルデンウィーク中の15時半という時間にも関わらず、観光客は皆無。
ひっそりと静かに水をたたえる佐鳴湖を眺めながら、440年前のある日に起こった事を空想してみた。
(あとがき)
この後、瀬名姫が祀られている西来院(せいらいいん)に行ってみるも、すでに16時を回っていたので閉門。
1日目の観光はこれでおしまいにし、ホテルにチェックイン。
楽しみにしていた浜松飲みは、シーカヤックで日本一周をした鈴木氏に教えてもらったヒクリへ。
想像していたとおり、居心地のいい店だった。
(2日目につづく)