イタリアの戦い -新型コロナウィルス-

そろそろ4月も終わろうとしているのに、新型コロナウィルス(COVID-19)のドタバタは全く終わる気配がない。
幸か不幸か、新型コロナウィルスの流行は、日本国内のみの問題ではなく、パンデミック(感染症の世界的な大流行)なので、各国の対応と日本の対応を比べることができる。
もちろん、ヨーロッパなどと違い日本はアジアの辺境にある島国という地理的な違いはあるものの、感染拡大に対して諸外国がどのように対処しているかという比較はできる。

そもそも、日本だけ感染者数も死亡者数も少ないのは信じていいのだろうか?
公文書の改竄を平気でやる安倍政権の元で発表される数字に信憑性はあるのだろうか?
各国の感染状況は、下記のスプレッドシートで見ることができる。
Countries where COVID-19 has spread

ヨーロッパ各国の状況と比べ、中途半端な対応しかしていない日本は数値が少なく見える。
まぁヨーロッパに比べて少ないとはいえ、中国や韓国に続き爆発的感染に陥っているシリアスな状況であることには間違いない。
ちなみに、いち早く大規模なPCR検査を行い、徹底的に感染者を洗い出して対処した中国と韓国の感染者数と死亡者数は、現時点において日本よりも少ない。(中国の数字はイマイチあてにできないかもしれないけど…)

私は、3月からイタリアの状況をウオッチし、日々発表される感染者数、死亡者数、治癒者数をメモしてきた。
それから1ヶ月以上経ったので、ここでまとめてみたいと思う。
イタリアで最初の感染者が出たのは2月21日。
それから1ヶ月後の3月22日には死者数が中国湖北省での死者数を上回った。
私がイタリアの状況を追いかけるようになったのは、ちょうどその頃である。

covid-19_italia1.jpgこれは、感染者の数をマップに当てはめたもので、最も感染者が多い地域は北部のロンバルディア州である。
3月24日時点では、イタリア全体の61%にあたる4,178人が死亡した。
4月24日時点の死亡者数は13,106人。イタリア全体では25,969人なので、約半分の方がこの地域で亡くなった。

covid-19_italia2.jpg次は、ここ1ヶ月の感染者数の推移。
数字が細かくて申し訳ないが、拡大できるので大体の数字は読み取れると思う。
右肩上がりで増え続けた感染者は、ついに4月20日から減少に転じた。(残念ながら4月26日の時点ではまた増えた)

covid-19_italia3.jpgこれは、日毎の死亡者数のグラフ。
最も多かったのは3月27日の969人。それから毎日のように800人ほどの方が亡くなった。
3月24日時点でも、1日に420人以上の方が亡くなっているが、グラフを見る限りこちらも減少傾向にある。

covid-19_italia5.jpg©Piero CRUCIATTI / AFP

棺が並べられた教会の様子。この1ヶ月間、イタリアは地獄を見た。
しかし、その頑張りは日の目を見つつある。

covid-19_italia4.jpgこれは、3月24日時点の地域別の感染状況。下部にある合計数の意味を記す。
106,527人:現在の感染者数
60,498人:これまでに治癒した人数
25,969人:これまでに亡くなった人数
192,994人:これまでに感染した人数

イタリアは頑張った!!
国民に嘘のないデータを公表する国が羨ましい。

[参考にしたWEBページ]
毎日更新される情報(Covid-19 - Situazione in Italia)
http://www.salute.gov.it/portale/nuovocoronavirus/dettaglioContenutiNuovoCoronavirus.jsp?lingua=italiano&id=5351&area=nuovoCoronavirus&menu=vuoto
イタリア北部を覆う死の影
https://graphics.reuters.com/HEALTH-CORONAVIRUS-LOMBARDY-LJA/0100B5LZ47B/index.html


3月15日、イタリア政府が外出自粛を要請してから1週間後、各地で市民が自宅の窓辺に出て隣人を励ました。