大人の休日はワイルドにいく 2日目〜奥石廊から雲見〜

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2日目の朝、静かな海を眺めながらたたずむイイダー。
今日もいい一日になりそうだ。

こんなにゴツゴツしたゴロタ浜で寝るのは初めてだったけど、石の隙間に洋服を挟んだり、クレイジークリークのチェアを敷いたりしたためか、思いのほかしっかり眠る事ができた。

サラダ、スープ、ソーセージ、パンそれとコーヒーで腹ごしらえしてから撤収。
荷物は心持ち少なくなった。

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波打ち際で荷物をパッキングする。
この浜は明るく、水や流木もあり、とても居心地が良かった。
ただ特に入り江というわけではないので、波が立つと上陸や出艇は難しいかもしれない。

2012-04-28-08-40-02.jpg(撮影:イイダー)

水に浮かび、海上からキャンプ地を見る私。
あらためて全景を見ると、大きな落石の痕がいくつもある。
そのうち崩れそうな地割れしている箇所もあった。
大量の雨が降った後などは、注意した方がいいだろう。

今日は、楽しみにしていた中木周辺を探索し、三ツ石岬、二十六夜山を従えた絶壁、波勝崎を越え、烏帽子山の先にある雲見まで漕いで行く。
天候、海況とも申し分なし。
思う存分楽しむことにしよう。

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IMGP0745_2.jpg(撮影:ワンチャン)

中木周辺は想像していた通り、ワクワクする岩礁エリアだった。
こういう場所は、雰囲気を楽しみながらノンビリと散策するのがいい。

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狭い水路を進んで行くと、突然視界が開けた。
この先に有名なヒリゾ浜がある。

2012-04-28-09-13-33.jpg(撮影:イイダー)

サルのいる大根島は遊覧船の通り道。
観光客のために投げられた餌に数匹のサルが群がっていた。

見せ物として放たれたサル達だろうが、海上から動物園を見ている様な感じで面白いので、近くまでよって観察してしまった。

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ヒリゾ浜の横を抜けていく2人。
もっと離れて写真を撮った方が絵になったかもしれない。
このような素晴らしい景色の中を漕ぎ進むことができる時は、心の底からカヤックをやっていて良かったと思う。

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中木周辺は、潮の色が変化に富んでいて楽しい。
上陸してノンビリできそうな小さな浜もいくつかあるが、どこも落石には注意が必要だろう。

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太陽で明るく照らされた三ツ石岬が見えた。

2012-04-28-10-01-25.jpg(撮影:イイダー)

三ツ石岬に向かう。
岬の右手に小さな浜が見えたので、そこで休憩することにした。

途中、すぐ目の前に丸いものが浮上した。
なんだろ?と思って見たらウミガメの頭。少しだけキョロキョロっとして、すぐに潜ってしまった。

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小さな滝もある小さな海岸に上陸。
沖から見た時は砂浜に見えたが、実際はご覧の様な石のゴロゴロしている浜だった。

例によって "女の子座り" しながら上陸。
ぎっくり腰にならないように重いカヤックを引き上げ、イイダーとワンチャンの上陸を待った。
スキンカヤックで、こういう海岸に上陸・出艇する時は、岩に乗り上げてフレームを曲げないように注意が必要だ。

キャンプ地にあった滝では水浴びをしなかったイイダーがしっかり水浴びしてる。
どうも、体に潮がかかって気持ち悪かったみたい。
ん〜潮は昨日の方がたくさんかかっていたように思うんだけど...ん〜。

ワンチャンを浜から送り出し、さて次は我々の番...と思った時にカヤックの近くに落石があった。
小さな石だったけど、こういう垂直に切り立った崖の浜は危険。

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2012-04-28-10-52-28.jpg(撮影:イイダー)

三ツ石岬を通過する。
露出した岩肌が美しい。

IMGP0763_2.jpg(撮影:ワンチャン)

伊豆の秘境、吉田の集落が見えてきた。
どんな集落なのかは他のサイトにゆだねるが、一度は訪れてみたい所だ。
ただ、海岸の幅いっぱいにつくられた陸上の防波堤は醜悪。

2012-04-28-11-28-57.jpg(撮影:イイダー)

あまり時間がないので、吉田集落には寄らず、その横にある奇妙な形の岩の門を見に行く。

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門の全体像を撮り忘れてしまったけど、イイダー曰く「まるで指輪物語に出てくる悪の住処のようですね」って感じの "カッコイイ" 門だった。

(あとがき:2012-6-3)
写真撮ってた!! ⇨「悪の住処

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ここから二十六夜山を回り込む海岸線は断崖が続き、上陸できるポイントはない。
荒れた日には、絶対に漕ぎたくない海域だ。

ところが、ここから妻良(めら)の辺りまでは、磯釣りのメッカらしく、岩場という岩場に釣り人がへばりついていた。
いつも思うことだけど、釣りをやる人はスゴイ!
一歩踏み外したら海にドボ〜ンてな所で、糸を垂らしている。

海上から話しかけてみた。
「怖くないですかあ?」
「怖いよ〜」
「何を釣ってるんですか?」
「メジナとイサキだよ」

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釣り人達は、こんな感じで岩場にやって来る。
渡し船は、けっこうな勢いで行き来しているので、グループでこの辺りを漕ぐ時は団子になり、船の進行方向に注意しながら進まないといけない。

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昼飯を予定している谷川浜までもう少し。
空きっ腹に鞭をいれて断崖下を通過して行く。

静かな砂浜に上陸して、アンチョビのバーニャカウダ風にフランスパン、それとチャーシューとネギがたっぷり入ったマルタイラーメンで昼飯。

時計は13時を回っている。
そして、ここでイイダーから衝撃的な発表があった。
「まだ半分です」
へ?半分?
今日は雲見に着いた後、オンボロゴルフで弓ケ浜まで移動し、18時から夕食。
逆算すると、できれば15時には雲見に着きたい。
ところがすでに13時を回っている...寄り道をしないでまっすぐ向かっても15時は無理。

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そうとなれば、さっさと出発だ!
13時半にトイレのある谷川浜を出て、正面に見える波勝崎まで一直線に行く。

霞んでいるせいか、なんだか遠くに見えるというか...まあ実際に5キロある。
所々に赤潮が漂うベタっと凪いだ海を漕いでいく。

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昼飯の後、長い距離、トロンとした海...いい具合に "おやすみなさい条件" が重なったことで、ワンチャンは居眠りパドリング。
たまに進路が大きくブレてまっせ。

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2012-04-28-14-27-19.jpg(撮影:イイダー)

難所で知られる波勝崎も今日は優しくお出迎えしてくれた。
ここにも釣り人がたくさんいる。

見所はいろいろとありそうだが、先を急ぐ我々にゆっくり楽しむ時間はない。

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おっ!見覚えのある山が見えた!
烏帽子山だ。
やっとここまで来た。

ちなみに、デッキの上にあるのは、海上に浮かんでいた空き缶。
浮かんでいるゴミはなるべく回収するようにしている。

2012-04-28-15-04-12.jpg(撮影:イイダー)

烏帽子山の手前には千貫門がある。
いくら時間が無い我々でも、とりあえず千貫門はくぐり抜けないといけない。

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スノーケルしている人を避けながら千貫門を通り抜け、烏帽子山をやっつける。
ヘロヘロワンチャンも最後の力を振り絞り、黙々と漕いで行く。

IMGP0776_2.jpg(撮影:ワンチャン)

雲見到着。
すごく楽しいキャンプツーリングだった!

上陸後、ワンチャンのウィスパーだけを分解。
荷物になるトラベルスタイルバッグは、弓ケ浜にあるイイダーのデリカ号に置いてきたので、スキンを含む全てのパーツをシーソックの中に押し込んだ。
カヤックキャリアを一組取り付け、イイダーの不知火と自分のウィスパーはカートップで運ぶ。
ちっちゃなゴルフにカヤック3艇と大量の荷物、そして人間が3人乗って移動できるのだからすごい。

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弓ケ浜に戻り、民宿にチェックイン。
気持ちのいいお風呂に入った後は、お疲れ様会の始まりだ。
ロングツーリングが終わった後は、こうして一杯やれると楽しい。
イイダー、ワンチャンありがとう。

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