石橋を叩けば渡れない

IMG_6132.jpg 「石橋を叩けば渡れない」
これは、1984年に出版された西堀栄三郎さんが書いた本である。
西堀栄三郎って誰か?学者であり探検家なのだが、第一次南極観測隊の越冬隊長って説明した方がピンとくるかもしれない。

普通は「石橋を叩いて渡る」というのだろう。

石橋を叩いて渡る…ことわざ事典で調べると "用心の上にさらに用心を重ねて物事を行うこと" とある。
何かをやろうとする時の心構えの様に読めるかもしれないが、慎重すぎる人や臆病すぎる人に対して皮肉をこめて使う場合もあるらしい。

では、「石橋を叩けば渡れない」というのはどういう意味なのか?
この本の中の一節を紹介する。

「新しいことには、リスク(危険)があるに決まっています。リスクというのは、危険ということだけではなくて、うまくいかないというリスク、不成功というリスクも入っています。危険もいろいろあり得ると思います。そこで、やるかやらないかを決心する前に十分調査しておかないからリスクがあるんだ、あるいは失敗があるんだ、という考え方です。
しかし私は、そんな考え方ではとうてい新しいことはできないと思います。
やるかやらないかを決心する前に、こまごまと調査すればするほど、やめておいた方がいいんじゃないかということになる。"石橋を叩いて渡る" とか "渡らん" とかいうけれども、石橋を完全に叩いてから、渡るか渡らんかを決心しようなんて思っていたら、おそらく永久に石橋は渡らんことになるだろうと思います。」

本当にそう思う。


今、朝のワイドショーでは、衆議院選挙が一番の感心事になっている。
太陽の党と日本維新の会の合流については、有識者の方達があ〜でもない、こ〜でもないと石橋ばかりを叩いている。

ちなみに、
自分は、"石"原氏は大嫌いだし、"橋"下氏の考えにも賛成できないところがある。
それこそ、"石橋" を叩いたら、いくらでもあ〜でもない、こ〜でもないが出てくるだろう。

じゃあ、民主党か自民党に一票を投じるのか?
いや、民主党は嘘つきだし、自民党は昔のままだ。

以前の記事でも書いたけど、自分の政党の選び方は「消去法」。
ダメな政党から除外していく。
そうすると、今度の選挙では第三極が浮上してくる。

もし第三極が政権を握ったら…考えただけでも危なっかしい。
まして、石原氏が首相になんてなったら、日本は120%間違った方向に進んでしまうだろう。
しかし、この国の "危なっかしい部分" を、国民の前に出してくれるような気がする。

今度の選挙は非常に重要な選挙になる。
いま日本人が何を考えているのか、それとも何も考えていないのか…この国の良識と勇気が試されている。