孀婦岩は島なのか? 〜排他的経済水域を考える〜

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この岩は「孀婦岩(そうふいわ)」と言う名前で、場所はココ。

map1_20130427.jpg孀婦岩の位置

遠いねえ〜っ!

ウィキペディアから抜粋してみる。
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東京から650キロも離れている伊豆諸島の最南端にある無人島。
標高は99メートル、東西84メートル、南北56メートル。
頂上付近には水面に対して垂直方向の柱状節理が認められる。カルデラ式海底火山の外輪山にあたり、孀婦岩の南西2.6キロ、水深240メートルには火口がある。日本の気象庁により活火山とされている。
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どうやらこれでも "島" らしい。

もっと本土から離れている島はあるのか?
あるっ!
それは「沖ノ鳥島(おきのとりしま)」。

okinotorishima.jpg

ウィキペディアから抜粋。
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東京から1,740キロ、硫黄島から720キロ離れている。
フィリピン海プレートのほぼ中央に位置し、太平洋の絶海に孤立して形成されたサンゴ礁の島である。
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南北約1.7キロ、東西約4.5キロ、周囲約11キロなので、孀婦岩よりも格段に大きいが、満潮時には礁池内の東小島と北小島の2つの小島を除いて水没してしまう。
そんな場所なのに、100-2100 東京都小笠原村沖ノ鳥島1番地(北小島)と2番地(東小島)というちゃんとした住所がある。
今度郵便を出してみましょかね。
そして、これも "島"。

map2_20130427.jpg沖ノ鳥島の位置

はてさて、"岩礁" と "島" の違いってなんだろう?…と思って調べてみたら、同じ疑問を持った人がいたようで、Yahoo知恵袋にQ&Aがあった。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1150451306

ふむ…日本では海面から出ているどんなに小さな岩礁も "島" としているらしい。

何故か?
それは、排他的経済水域が絡むからだ。
"排他的経済水域" …一度はその言葉を聞いたことがあるという人が多いと思うが、これまたウィキペディアから抜粋してみる。
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排他的経済水域とは、国連海洋法条約に基づいて設定される経済的な主権がおよぶ水域のことを指す。自国の基線(海)から200海里。
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map3_20130427.jpg© 海上保安庁

上の図は、日本の領海と排他的経済水域を表したものだ。
広い!
4,479,358 km?…これはアメリカ、フランス、オーストラリア、ロシア、カナダに次ぎ、世界で6番目。
日本の広さにもビックリだけど、フランスの広さはアメリカとほぼ同じで日本の3倍以上ある。
何故かというと、広い海の上のあっちこっちにフランス領の島があるから。
不思議なのはイギリスが日本よりも少ない8位だってこと。
孀婦岩を最初に見つけたのはイギリスのジョン・ミアーズ -John Meares-だったのに…。

現在、北や南で解決していない領土問題があるけど、海を我が物にしようとしている各国の思惑が渦巻き、そう簡単には解決しないだろう。

しかし、領海が広いのは水産資源や鉱物資源などの探査と開発に関する権利を得られると共に、資源の管理や海洋汚染防止の義務を負うという責任もある。
核で汚染された水を海洋投棄なんてしてる場合ではないのである。