マルとバツの間

御嶽山の噴火から1週間が経った。
噴火が続く中で救助にあたった警察、消防、自衛隊の方々には心から頭が下がる。
しかし、そんな決死の救助活動にも関わらず、山ではいまだに行方のわからない人が何人もいて、今週末は無情にも大型の台風がやって来る。


当日、秋晴れの素晴らしい登山日和の中、頂上付近でお弁当を広げていた人達を襲った地獄の様な災害の恐ろしさは、実際にその場にいた人にしかわからない。

どうしてこんな事が起こってしまったんだろう?
ニュースでは「最悪のタイミングで噴火が起こってしまった。」とか「水蒸気爆発は予知するのが難しい。」などと報道されている。
でも今回の災害は本当に避けられなかった事なのだろうか?


日本には火山が沢山ある。
今回の事で火山の定義を調べてみるまでは、火山には休火山と活火山があると僕は思っていた。
ところが、火山噴火予知連絡会は2003年に定義を見直し、「過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある山」を活火山とした。
そして2009年、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として47の山が認定され、観測施設が整備された。
気象庁「活火山とは」

1万年前に噴火した記録のある山が、何の前触れもなく突然噴火して被害にあったのであれば諦めもつくだろう。
しかし御嶽山は、「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」に認定され、24時間監視されていた。

火山の噴火は台風の予報などと違い、"いついつ噴火する" とは正確に予知できないというのはわかる。
しかし、噴火レベルというのは5段階で危険度を設定し、周辺の自治体や山に入る人達に「危険度の目安」を与えている。
気象庁「噴火警戒レベルの説明」

御嶽山は9月6日から火山性地震が起こり、9月10日には異常な回数が記録されていた。
気象庁「御嶽山 火山性地震の日別回数(8月1日〜10月2日)」

噴火レベル "1" の定義は「平常 火山活動は静穏」だが、この状態が「平常」でない事は素人が見てもわかる。


僕ははっきりと言いたい。
気象庁はミスを犯した!
予知は予報とは違う。
その為に○でもなく×でもない、"噴火レベル" という指標がある。
9月10日時点で警報(レベル "2"もしくは"3")を発令するべきだった。

気象庁は3年前の3.11の時もミスを犯している。
Requiem 3.11

同じ間違いを犯さない為には、ミスを認めることから始めなければならない。
国を動かす人達には、一般の人達以上に誠実さが求められる。