なぜ人は移動するのか?

ここ最近、「なぜ人は移動するのか?」ってな事を考えている。

私は今、仕事をするため毎日往復2時間をかけて通勤している。
週に10時間。
月に40時間。
年に520時間。
それ以外にも打ち合わせで出かけたりするので、年に30日間位をただ移動する為だけに使っている。
ふむ…これはどおなんでしょ?

昔、電車やバスはもちろん、自転車すら無かった時代は、人が移動する為の手段は馬か舟か自分の足だけ。
庶民であれば、ほぼ100%自分の足で歩いて移動するしかなかった。
よっぽどの理由が無ければ自分が生まれた土地から出ることはなく、生まれた土地で田畑を耕したり、漁をしたりして暮らしていた。

淡路島で生まれた高田屋嘉兵衛の様に、海に生き甲斐を見つけ日本中を飛び回った人もいるけど、電車で通勤している人達は電車が好きで遠い場所まで仕事に行っている訳ではない。
やりたい仕事の為に通勤している人はまだ幸せで、多くの人は生活する為にしかたなく満員電車に揺られて移動している。
もし、住んでいる場所に仕事があれば、移動で無駄な時間を使わなくてもすむはずなのに、ほとんどの人はそういう価値観では仕事を選んでいない。


私は現在57才。
同年代の友達はそろそろ定年後の事を考え始めている。
幸か不幸か、私は独立して仕事をしているので、"定年" はない。
しかし、このまま年に30日も無駄な時間を使い続けるのはどうなんだろ…と思っている。
願わくば、海沿いの家に移り住み、清々しい朝の海や夕陽に染まる海を眺めて暮らしたい。
ところが、そんな暮らしを手に入れるには、それなりの蓄えがいるだろうし、家族にも同じ価値観を持ってもらわないといけない。
そして、今はどっちも無い。

IMG_5485.jpgでも、"人生の目標はなんですか?" と問われれば、やっぱりこう答えたい。
「海沿いの家に住み、清々しい朝の海や夕陽に染まる海を眺めて暮らしたい。」…と。