男子復活 南八ヶ岳2日目〜夏沢旧道〜

2日目の朝。
昨夜から降り続く雨はいっこうに止む気配がない。
朝飯を食った後、小屋のおやっさんと雨雲レーダーを見ながら予想を立ててはみたものの、止むのは一瞬だけになりそうだ。

パッキングしたザックを小屋の入口に置き、出発する人達に声をかけてみる。
「今日はどうするんですか?」
「下山しま〜す(^^)」

テント泊していた人にも聞いてみた。
「昨日の夜は大変でしたね。今日はどうします?」
「硫黄岳に行こうと思ったけどやめました(^^)」

撤退を決めているのに、なぜか皆さん笑顔。
この明るさがいい。

で、我々山岳会はどうするか?
車は茅野に置いてきているので、バスかタクシーで帰らなければならない。
桜平にはバスが通っていないので、普通に考えれば桜平までタクシーに来てもらって帰ることになる。
しかし、そんなに早く茅野に着いてもホテルに入れるのは午後3時くらい…ってな事を考えていたら、ブチョウが地図を広げた。

ブ「夏沢鉱泉から少し下った所に、もう1本道があるんですよ。その道でゴルフ場の辺りまで行けばバス停あるんじゃないですかね?」
私「あっこれ、昨日来る時にあった道ですね。たしか"茅野"って書いてありました。」
女子2号「え〜〜来た道を戻った方が歩きやすいってことないですかぁ?」

ちなみに、"皆におまかせ〜" な女子1号は、いつも3歩離れてこの手の話しを聞いている。

IMG_3166.jpg 森はガスで覆われている。
夏沢鉱泉の東屋でゆっくりコーヒーを飲んでから再出発し、"茅野"への分岐点にさしかかった。
分岐点からその道を見ると、木の枝が一面にちらばり、軽い登り坂が左に折れまがった道の先まで続いている。
女子2号が躊躇している脇をすり抜け先に行ってみることにした。

私「とりあえず行ってみましょう〜」

少し進むと、倒木が道を塞いでいたり、土砂が崩れた場所があったり、薮で覆われている所があったりしたものの、思いの他雰囲気のいい道が続いている。

P8290064.jpg いや〜〜なかなかいい!
八ヶ岳の深い森の中をどこまでも続く道は、いろいろな表情を見せてくれ、飽きることがない。
そして誰とも会わない。

雨が止んだので、森の中の倒木に腰を下ろして昼飯にした。
この素晴らしい道に案内してくれたブチョウに感謝!

昼飯が終わり、30分も歩くと舗装された道に出た。
Googleマップで位置を確認し、タクシーが呼べる適当な場所を探しながら歩いて行くと、チェルトの森テニスガーデンからオジサンが出てきた。

「この近くにバス停はありますか?」
「ん〜〜○○まで行けばあるかなあ」
「遠いってことですよね?(^^;)」
「そうだね(^^)」

タクシー会社に電話をすると、ちょうど近くに1台いるらしく、すぐに行けるとのこと。
営業していないチェルトの森テニスガーデンのテラスで待つこと10分。
感じのいい運転手さんが迎えに来てくれた。


後日、この気持ちのよかった道のことを調べてみると、「夏沢旧道」という由緒正しい道だという事がわかった。
[夏沢旧道を紹介しているページ]
http://kajima-resort.com/life/vol2.html

夏沢鉱泉に行くには、車で桜平まで行くのが最も近いけど、桜平に車を置くには早朝に到着しなければならない。
もし、夏沢鉱泉かオーレン小屋に前泊する予定で入るなら、チェルトの森別荘地にある古田溜池までタクシーで行き(4,000円しない)、そこから歩いていくのもいいかもしれない。
古田溜池から夏沢鉱泉までは約8キロ、3時間半の道のりだ。


タクシーで茅野駅まで戻り、ホテルにチェックインできる時間まで、駅前の蕎麦屋でビールと日本酒。
チェックイン後、ひとっ風呂浴びてから、部屋でビール。
そして、正式な打上げ大宴会はホテルから9分歩いた所にある居酒屋で行なわれた。
ブチョウは大ジョッキで出てきたハイボールの後で、これまた大ジョッキで出てきたサワーを4杯(!!)やっつけて名誉の撃沈、女子チームと私は日本酒一升を爽やかに飲み干して、2軒目に向かった。
ちなみに、この1軒目の居酒屋は料理も美味しく主人のもてなしも最高で、この店を選んだ私の株が上がったことは言うまでもない。

はたして、昨日の男子全滅状態から一転、夏沢旧道を提案したブチョウと共に、見事に男子復活を果たしたのだった。

IMG_3167.jpg お腹いっぱいなので、2軒目は軽く飲める店がいい。
"BAR" という文字を見て扉を開けると、なんと中は高級スナック風。
「こ、ここはBARですかぁ?(^^;)」
「いえ、スナックですよぉ(^^)」
「あっ、失礼しましたぁ(^^;)」
次は、"居酒屋" という文字を見て扉を開けると、なんと中はカラオケスナック風。
「こ、ここは居酒屋ですかぁ?(^^;)」
「はい、居酒屋ですよぉ(^^)」
どうやら、居酒屋らしいので、カウンターに着席することにした。
そして15分後…なぜかカウンターの3人はマイクを握っていた。

しかし…我々山岳会は、いつになったら "まともな" 山歩きができるのであろうか…。