南伊豆探検隊 〜南伊豆遊歩道 吉田から入間〜

弓ケ浜舟盛り付き大宴会の翌日。
二日酔いもなく爽やかに目が覚めたので、一人海岸を散歩する。
海は穏やかで絶好のカヤック日和だけど、今日は「南伊豆遊歩道」に向かわなければならない。

朝食の時間に合わせて宿に戻ると、部屋に全員が集まっていた。
昨日のハイキングで、爆弾を抱えていたブチョウの膝が悪化し、今日はとても歩ける状態ではないらしい。
昨日、電車合流した山岳会会長のシュニンはまたしても電車で帰還するとの事なので、前回遠征の八ヶ岳と同じく、南伊豆遊歩道には女子チームと私の3人で挑むことになった。
急遽、車回送係を任命されたブチョウを長時間待たせるわけにもいけないので、今回予定していたルートを短縮し、吉田から入間までを歩くことにする。
ちなみに、伊豆ネットが公開しているルートマップはこんな感じ。
http://www.izunet.jp/asobu/warking-map/si-005.htm

吉田の浜には車で送ってもらうので、富戸の浜までは50分、入間までは千畳敷を経由しても100分なので、まあ3時間もあれば歩けるだろう。


国道136号線の「吉田入口」を曲がると、とっても心細くなる道がウネウネと続いている。
これが伊豆一番の秘境と言われる吉田の部落へと続く道かあ〜と一同盛り上がりつつも、なんとな〜く不安な感じがよぎる。

南伊豆 吉田吉田の浜に到着。
この浜を海から見ると防潮堤が醜悪に見えるものの、陸側から見るぶんにはそれほどでもない。

準備をしながら人懐っこいオバちゃんと話しをする。
「釣りに来た?」
「いえここから入間まで歩きに来ました」
「へ〜迷子にならないでね〜」
"迷子にならないでね" の一言が重要なアドバイスであると、この時は誰も気がつかなかった。

南伊豆遊歩道 南伊豆遊歩道「入間」と書かれた綺麗な標識を確認し、念願だった「南伊豆遊歩道」に突入〜と思いきや…、道が見えない。
この不意打ちに山岳会安全確認担当の女子2号が物言いをつけた。
「やめましょ〜!」

ふむ…確かに酷い、いや酷過ぎる。
しかし、叶った念願がものの15秒で崩れさるのも悲し過ぎる。
「ちょっと様子を見てきま〜す」
と、あえて明るさを装ってから一人滑りやすい登山道に突入してみると、なんとな〜く山の中に続く木の階段があるのを確認できた。
「大丈夫そうだよ〜」
と、これまた明るさを装って声をかけると、女子チーム2名がシブシブ感丸出しの顔で、道とは呼べない道を上がってきた。

南伊豆遊歩道 南伊豆遊歩道木の階段とは言ってもこんな感じだし、その階段もアッという間に無くなり、向かう先は草ぼうぼうな薮があるだけになった。
これはマズい!

南伊豆遊歩道背丈を優に超える薮をかき分け、大きなクモの巣をはらい、トレッキングポールで地面がある事を確かめながら歩くこと30分。
やっと見晴しのいい山頂に辿り着いた。

PA040064.jpgルートマップには「切り立った断崖の斜面につけられた道」と書いてある辺りだと思うけど、草だらけなので、どこから崖なのかわからない。

南伊豆遊歩道 南伊豆遊歩道酷いコースには不釣り合いに立派な標識に従い「入間」方向に進むと下りになった。
木の手摺は、たぶん崖の淵に沿ってあるはずだ。
しかし、そのどちら側を歩いていいのかよくわからないし、所々で草に隠れていているのでルートそのものがよくわからない。

南伊豆遊歩道 南伊豆遊歩道目安にしていたガイドロープも見当たらなず、いよいよ道がわからなくなった。
ヘビもニョロニョロ這っている。
立ち止まってコースを探していると、すぐ近くでガサガサ〜っと大きな音がした。
イノシシか!と思って身構えていると、頭ほどの大きさの石が転がってきた。
落石だ。

草の下に人が作った木の板があったので、木の階段が続いていると思い進んでみたところ、その先には地面が無かった。
木の板は、崖に向かって作られた木のベンチだったようだ。
危ない危ない。

富戸の浜までの下り坂では、ますます道がわからなくなった。
やっと見つけたガイドロープの右側を歩いていくと道が無くなった。
どうも左側を歩くのが正解なようだ。

南伊豆遊歩道横を流れる沢に落ちないように、滑りやすい道を慎重に下っていき、やっと富戸の浜に到着。
コースの1/3しか歩いていないのに、ここまで1時間50分。
とてもじゃないけど、3時間では入間に着けそうにない。
そして、この先のコースが通行できるかどうかもよくわからない。
渡し船に迎えに来てもらう?

南伊豆遊歩道入間で待っているブチョウに電話で状況を説明し、出発することにした。
とにかく歩いて戻るしかない!と気合いを入れてはみたものの、どこにも道が見当たらない。
ここですか?

南伊豆遊歩道 南伊豆遊歩道再び薮をかき分け進んでいくと、道は見えないながらも、いくぶん歩きやすくなった。
そして、絶景の見晴しポイントに到達。
ふむ…なんとかなりそうだ。

南伊豆遊歩道 南伊豆遊歩道千畳敷入口までは、ほぼコースタイムで踏破。
やっと薮薮、クモの巣地獄から抜け出す事ができた。
しかし、千畳敷へ行くには往復35分かかる。
この時点で予定時間を1時間もオーバーしているので、少しだけ下って景色を楽しむだけにした。

千畳敷入口から入間港までは舗装された道をいくだけ…と思っていたのは勘違いで、途中からまた薮の中を歩くはめになった。
ゴールまでもう少しという所まで下ると、ブチョウがススキを振り回しながら登ってきた。
「クモの巣をはらっておきました」

入間にゴール!
やった!やりました!
すぐさま入間荘に飛び込み、冷えた到着ビールにありつく。

それにしても南伊豆遊歩道がこんな状態だとは、夢にも思わなかった。
コースにはアザミも沢山張り出していたので、もし半ズボンなんかで歩いていたら足が傷だらけになっていただろう。
家に帰ったら、南伊豆町にコースの状況を報告し、整備されるまでの間は通行止めにした方がいい…と話してみることにしよう。

それにしても、泣き言や愚痴などを言わず歩き通した山岳会女子チームは素晴らしい!
「途中何度かヘビを目撃したんだけど、怖がらせない方がいいと思って言わなかったよ。」
「あ〜なったらヘビくらい出てもなんとも思わなかったから!」
ふむ…とっても逞しい!


(あとがき:2015-10-9)
南伊豆町から返事があった。
「南伊豆歩道の状況をご報告いただき誠にありがとうございます。
また、管理が行き届かなく、申し訳ありません。
南伊豆歩道は全7路線あり、年2回(前期、後期)草刈り及び倒木処理等を行っております。
今現在各路線を整備している状況ですので、11月中旬頃までの完了を目安に随時整備していきます。
今後とも管理体制を強化していきますので、南伊豆遊歩道をよろしくお願いいたします。」
そっか〜我々は一番酷い時期に歩いてしまったらしい。
12月に歩けばよかった。