気分はジェットコースター 〜三戸浜周辺〜

6月11日 土曜日、長い間 “冬眠” していたワンチャンが復活する。
そして、暇だった(?)私とハマちゃんが初夏の三戸浜で介護を受け持つ事になった。
昨年の新潟遠征から11か月…お嬢様はカーボンウィスパーの組み立て方を覚えているのだろうか?

予定より早く三戸浜に着くと、すでに二人は到着しており、広げたスキンの横でワンチャンが笑っている。
テンション高そうだ。
普段は無料の駐車場も夏モードとなり、地元のオバさま方が料金を徴収している。
暑い中ご苦労様です。
そして、炎天下でカヤックを組み立てる我々も「暑い中ご苦労様です」となる。
カヤックのベストシーズンはもうすぐ終わり、海水浴場から追い出されたカヤッカー夏の放浪シーズンが始まる。

ワンチャンはバウとスターンの区別もつかなくなっていた。

私が日陰になっている消防団の詰所裏でカヤックを組み立てていると、ハンカチで目の下を抑えながらワンチャンがやって来た。
「何か軟膏持ってますかぁ?」
「どうしたの?」
「ちょっとやっちゃって…」
なんと、フレームにテンションを掛ける際、スターン・デッキバーに弾かれ顔面を負傷したもよう。

(あとがき:2017-3-18)
消防署の詰所裏は、私有地なので使わないでくださいとの事です。

「ゲゲ!! 大丈夫なんですかぁ?」
「痛いっす」
ハマちゃんからは、同じような状況で頬骨を骨折した人がいますよ〜っと脅かされたらしく、少しビビっている。
とりあえず、ファーストエイドキットから漢方薬屋さんで調合してもらっている軟膏を取り出し、ワンチャンに渡した。

「テンション下がりました?」
「下がった…」

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復活ワンチャン艇も準備が整った。
負傷した頬骨のあたりに貼ったバンドエイドをサングラスで隠しているが、セレブ用サングラスの様なもっとどデカイやつが必要だ。

「さて、どっちに向かいましょ」
「とりあえず諸磯?」
「テンションは?」
「低いっす…痛いっす」
漕ぎ魂ゼロである。

P6110006.jpg真夏のようにキラキラした海に滑り出す。
今日は相模湾を挟んで40キロ先にある伊豆半島や江ノ島も近くに見えて、気持ちがいい。
「テンションはどうですか?」
「少し戻った」

諸磯で少しだけ休憩。
今日はウネリがあるので城ヶ島に行くのはやめ、昼飯は荒崎辺りで食べることになった。

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なぜかヨットが多い。
後で調べてみたところ、「第一回ショートハンドチャレンジ1・2・3」という小網代沖と城ヶ島南西ブイを往復する15マイル(24キロ)のレースだった。
http://www.jsaf.or.jp/misaki/2016/123/photo.html

ハマちゃんがトイレのある荒崎の上陸ポイントを見に行くものの、頭の上でバッテンマークを出している。
ウネリが入っていて上陸できないようだ。
仕方がないので、別の場所を探す。
しかし、この辺りの砂浜は西向きの所が多く、どこもウネリでサーフになっている。
佃荒崎にある小さな砂浜へエントリーができそうだったので、ウネリの合間を見ながら上陸した。

岸に向かう私を見て、ワンチャンがハマちゃんに声をかけたらしい。
「ここ 入るんですかぁ?(--;)」
「はい〜(^^)」

P6110021.jpg眺めも良く快適な草地に陣を張る。
なぜかワンチャンは海に背を向け、初めて買ったというシングルバーナーにどうやって火を点けるのかハマちゃんに聞いている。
コッヘルも新品。
フェザークラフト生産中止のドタバタの際に注文していたという新品のスプレースカートも羽織っていたので、ただただボ〜〜っと “冬眠”をしていたわけではないらしい。

P6110023.jpg風向きが少し南よりになり、浜に入る波の向きも変わってきた。
そして、打ち寄せる波のタイミングを見て佃荒崎を離脱。
ワンチャン艇の後ろでは高さを増したウネリが我々のいた浜に向かっている。

P6110024.jpg夏の様な陽気にもかかわらず、適度に風があるので暑くはない。
ワンチャンに聞いてみた。
「テンションはどうですか?」
「上がったぁ〜」

三戸浜に帰還後、ワンチャンが顔の傷を心配している。
「痛いですか?」
「どうやって飲みに行こう…」
「そっちかいっ!!」
気分はジェットコースターである。

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