焚き火デイキャンプ

年に1〜2回しか会わない友達から「キャンプに行こうよ」と誘われた。
前回は去年の7月だったので、ほぼ1年半ぶりのお誘いである。
場所取り担当は手持ち無沙汰

ところが、季節はすでに11月も終盤。
朝晩冷え込む山でキャンプするガッツはないので、無難に近場の海でデイキャンプをする事になった。
友達からの希望は「焚き火でランチ」である。
ふむ…流木がふんだんにあり、トイレが近くにある "歩いて行ける居心地のいい海岸" は三浦には無い。(と思う)
そうなると、焚き火台と薪を持参する人間は車で行かなければならず、酔っ払った後に運転はできない。
必然的に私が居残りキャンパーである。

10時に三浦海岸駅で待ち合わせをし、駅前のマーケットで食材を調達。
川崎からやってきた参加者は「遠い!」と不満タラタラであるが、富士五湖辺りのキャンプ場に行くよりはぜんぜん近い。
当日の料理担当(私)が、事前に買い出し品目を洗い出していたので、あっという間にショッピングバスケットがいっぱいになった。
「こんなに食えるの?」
「たぶん食えちゃうと思うよ」
デイキャンプは、思ったよりも食べれて飲めちゃうのである。

場所は諸磯にした。
ところが当日は北風がそこそこ吹くので灯台側はNG。
風裏になる南に面した海岸を "キャンプ場" とした。
準備をしていると、地元の人とおぼしき人がすっと私に近づき、手に持った野草を無言で差し出した。
とっさにその意味を理解し、差し出された野草を口に入れてみた。
「えぐ味がなくて爽やかですね」
「でしょ!? これクレソン」
諸磯に野生のクレソンが生えているなんて知らなかった。
いつも人気の無い浜を探しては上陸しているけど、たまには人がいる場所に来てみるのもいい。

諸磯 夕焼け諸磯 夕焼けトマト、ジャガイモ、玉ねぎ、シイタケのアルミホイル焼き。キャベツのサラダ、チーズの蜂蜜がけ、ジャーマンポテト、赤魚の網焼き、エリンギのニンニク炒め、豚バラと白菜のミルフィーユ鍋、ローストビーフ、フルーツコンポート…。
山ほどあった食材とお酒も無くなり、帰宅組の2名はバスで帰る。
ところが寒くもなく、あまりにも居心地がいいので帰宅組は予定のバスよりも1本遅いバスで帰る事になった。

18時過ぎに出るバスの時間に合わせ、バス停に向かった。
誰もいないローカルなバス停に着くと、帰宅組は呟いた。
「ほんとにバス来るの?」
雰囲気的には、サツキとメイが山の中でバスを待っている感じである。

私は、帰り道にかかる時間の感覚が麻痺した帰宅組と一緒に三崎の街に寄り道し、見送りのバス停で起こったアクシデントは自分一人の胸に秘め、歩いてキャンプ地まで戻った。
三連休初日のキャンプ地住人は3組みだけで、思ったよりも少ない。
昼間からさんざん飲んでいたので、一人飲み用に用意していたウィスキーを一杯飲んだだけで、テントに転がり込んだ。

諸磯翌日は、カヤックで剣崎辺りまで行ってみようと思っていた。
ところが、日の出とともに起きてみると、午前中いっぱい吹く予報の北風が思ったよりも強い。
それにプラスして、昨日のアクシデントの対応も気になったので、さっさと撤収して帰る事にした。

朝飯を作って食べていると、ソロキャンプしていた男性が帰ろうとしていたので挨拶をした。
この男性のように、気が向いた時にふらっとココにやって来て、一人静かに夜を過ごして朝帰る…というのもありかもしれない。