思い出したワンウェイ 〜三戸浜から三浦海岸〜

フォールディングカヤックを使った旅の醍醐味は、出艇地と撤収地が同じじゃなくてもいいこと。
車、電車、バス、徒歩を組み合わせアイデア次第で、いろいろな旅の形を作り出すことができる。
そして、旅の日数は長ければ長いほどいい…ってな事を書きながら、私は数年そんな旅をしていない。
そればかりか、1日で終わるワンウェイのツーリングですら、最後にやったのは2年以上前になる。
小田和湾でこんにちは 〜三戸浜から逗子〜

以前は1キロくらいの距離ならカヤックを引っ張りながら歩くことができたけど、最近はちょっとの距離でも重さが堪える。
やっぱり歳なんだろうか…って事で、今回は車と電車を使った2年ぶりのワンウェイツーリング。

IMG_3866.jpg駐車場に出ると、思いがけずこんな朝焼け。
あれあれ、これはもしかすると天気予報が外れていい天気になっちゃう?

IMG_3867.jpg京急三崎口駅近くの駐車場に車を置き、タクシーで三戸浜へ。カヤックで三浦海岸まで行き、撤収後、京急で三崎口駅に戻る…というすんぽうである。
運よくタクシーにはすぐ乗れた。
「人出はどうですか?」
「車で動く人が多いので道路は混んでますね。城ケ島の駐車場は停められない日も何度かありました。それと、食べ物屋さんはダメだけど、コンビニの売り上げはいいみたいですよ。」
ジャパンタクシーには初めて乗ったけど、横幅がなく(1,695mm)ラッゲージスペースが狭い。
運転手さんが手伝ってくれたけど、パックカートを装着したトラベルスタイルバッグを乗せる時は少し気を使った。

閉鎖で誰もいない駐車場でカヤックを組み立てていると、近所のおばさんがゴミを捨てに来たのでぺこりと挨拶した。
「どこから来たんですか?」
「横浜です。駐車場が閉鎖されているので駅からはタクシーで来ました。最近はどうですか?」
「ん〜〜釣り人やキャンプで来る人のマナーが悪いので困ってるのよぉ。釣り餌は海岸に捨ててっちゃうし、釣り糸がスクリューに絡まる度に修理代がかかったり。バーベキューで来た人も漁船の枕木を燃やしたり、ゴミはそのまま置いてくし…。」
「えっ枕木って、船を陸揚げする時に使うアレですよね?」
「そお。信じられないでしょ?!」

どこの場所でも、マナーが悪い人の話を聞くことが多い。
我々は、そこで住んでいる人の軒先を借りて遊ばせてももらっているという意識を持っていれば、ゴミを散らかしたまま帰るなんてことはできるはずないし、まして生活している道具を燃やしたり、傷つけたりなんて事ができるはずない。
たぶんマナー知らずの人は、その場所に立ち入れなくなっても気にせず、また他の場所を荒らしに行くだけだろう。
しかし、その場所を大切にしながら遊んで来た人達は、マナー知らずの連中のせいで行き場所をどんどん奪われている。
迷惑を受けるのは、地元の人だけじゃなく我々も同じである。
迷惑キャンプお断り(外部サイト)

IMG_3868.jpgカヤックを海岸に下ろすと、海にはガスがかかり視界が悪い。
雨もパラパラと落ちてきた。
WindguruのCloudカバー率を見る限り、もっと明るい海を想像していたけど…、どうも天気予報は悪い方に外れてしまったらしい。

P7240001.jpg海水の透明度は悪く、ずっと続いている雨のせいでゴミもたくさん浮いている。
水平線と空の境目が不明瞭で、視界の90%は灰色である。

P7240016_20200724.jpg久しぶりの城ヶ島。海から見る城ヶ島は数年ぶりになる。
見突き漁のボートが数隻浮かんでいるだけで、カヤッカーはゼロ。
凪なので、岸沿いに進む。

P7240018.jpg3月に建て替えられた安房埼灯台(あわさきとうだい)は丘の上にあるので、海からは見上げる感じになり灯台としてのインパクトはない。
そして、以前の灯台はもう撤去されていてる。
何もなくなった城ヶ島の東端を通過する時、あ〜…安房埼灯台は、自分の中で城ヶ島のシンボルとして意識していたんだなぁと思い、少し寂しい感じがした。

昼飯は、宮川のまるよし食堂と決めていた。
この時間はまだ入り江の奥までカヤックで行けるけど、干潮時間に向けてぐんぐん潮は引く。
潮が引いた後でカヤックが岩に乗り上げないよう、係留する場所を慎重に選びロープで固定した。
昼飯には少し(だいぶ)早いので、コーヒーでも飲んで時間を潰すことにする。
いつもテントが張られている場所を避けて裏側に行き、まだ誰もいない草地に腰を下ろした。

IMG_3871.jpg前回は、まるよし食堂の定休日に来てしまったので、今回がリベンジである。
木曜日の落とし穴 〜菊名から宮川〜
空いているテラス席を選び、海かけ丼を注文した。

宮川港には、たくさんの釣り人が来ていた。こんなに賑わっている宮川は初めて見た。
三戸浜は釣りが禁止になったけど、ここに来るまでの諸磯、城ヶ島も釣り人だらけだったし、貸しボート屋さんもフル操業って感じだった。

P7240025_20200724.jpg11時、三浦海岸に向けて出発。
14時くらいから南風が上げてくる予報があるが、この時間であれば余裕を持って雨崎を回り込めるだろう。
いつもように、剣崎の先端では不規則な三角波が立っていたが、そこを超えると穏やかな海になった。

P7240030.jpg雨崎の住人は肉眼での確認で6名。絶対に上陸できない。

金田湾に入って、ゴール地点が見えた。
ここでも、釣りボートはフル稼動。誰に聞いても釣果はイマイチだったけど、そんな事はあまり関係なさそう。窮屈な街中を離れ、みんなリラックスしているように見える。
ゴールは、いつも使っている菊名ではなく、少しでも駅に近い三浦海岸。
海水浴場はやっていないはずなのに、海には遊泳エリアを仕切るロープが張られていた。
着岸した砂浜には、レンタルバーベキューの大型テントが立ち並んでいる。

カヤックを駐車場内に運び込み、バーベキューの匂いを嗅ぎながら、とりあえずノンアルコールビールで一息つく。
湿度が高く、日も射していないのでカヤックが乾く様子はない。
いろいろなものを干しながら、のんびりしていたら片付けるのが面倒になってきた。
Facebookを覗くと、山岳会のメンバーがキャンプ場でテントを貼り終えたらしく、既に宴会を開始している。
無性に生ビールが飲みたくなり「生ビールが飲みたい!」とメールを入れると、「飲めば?」と返信が来た。
この挑発的な一言で、ますますまっすぐ帰る気が無くなってしまった。

結局、自宅に向かう高速道路の分岐を無視し事務所近くの駐車場に直行。近所の焼肉屋で念願の生ビールを飲んだ後、事務所でスコッチを飲んでから電車で帰宅した。
6年ぶりに再度呟く。日帰りでもワンウェイは旅である!!

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