隠岐 3日目〜中ノ島明屋から知夫里島〜

三日目の夜明け。
昨晩は適度にお酒も入り熟睡できたせいか、まったく疲れが残っていない。
朝一番のコーヒーが旨い。

"ここから先は入るな" の先にあるウィスパーは無事だった。
今日のルートは、三日間の中で一番のロングコースだが風裏になる為、風波の心配はゼロ。
絶好のパドリング日和になりそうだ。

一漕ぎ毎に、なんの抵抗もなくカヤックが進むのが気持ちいい。
いつもこうだといいんだけど…。
まだ眩しい朝日に向かって快適なパドリング。


人工物がまったくなく、まるでタイムマシンに乗って太古の海に舞い降りたように感じる。
聞こえるのは、パドルが水をかく音と鳥の鳴き声だけだ。


知夫の赤壁のスケールにはまったくかなわないが、この辺りの地層にも赤い部分がある。




この辺りの断崖は柱状節理の崩落跡などが見れて迫力がある。
こういうものを作ってしまう自然の力ってすごい。
見ていてまったく飽きない。
そもそも島前は、大きな一つの火山がマグマの力でカルデラとなり、その部分が海中に没してできた3つの島。
その壮大な地殻変動の跡をまじかで見れるのがうれしい。


迫力のある地形が続く。

出艇して2時間半ほどたったので、エンジン(私)に燃料を補給する時間になった。
冷たくないビールを飲んだら、冷たいビールが飲みたくなった。


30分ほど漕いで多井(おおい)の海水浴場に上陸。
海水浴場なのに誰もいないし、自動販売機一つない。
少し歩いてみたが、商店もない。
補給失敗。
しかたがないので、隣の崎(さき)まで行ってみることにする。


海の色と透明度がスゴい事になっている。

漁師さんに一言断わって、崎漁港のスロープに上陸。
この集落も人気がないけど商店は…丘の上にあった!
冷たいビール3本、チンして食べるご飯、アイスを購入。
お店のおばさんがご飯をチンしてくれただけでなく、採れたてのキュウリとトマトまでめぐんでくれた。
うれしい。
スロープまで戻り、今回初めて持って来た「瞬間美食シリーズ」のグリーンカレーを食べてみた。
160ccのお湯に入れ、たったの10秒でできあがり。
これをチンしてもらったご飯にかけて食べたら、ここはタイ料理レストランですか?ってなくらい旨い!
レトルトカレーよりは高いけど、水も時間も節約できるので、これはヒット。
そして、もらったトマトも旨い!
いいランチタイムでお腹も気分も満足して、再出艇。

さて、やって来ました木路ケ崎(きろがさき)。
ここから知夫里島までの約2.7kmを横断する。
ただ、ここは隠岐汽船の高速船やフェリーの航路になっているので少し緊張。
特に高速船「レインボー2」は音が聞こえたと思ったらあっという間にやってくるだろう。


少し潮流に流されながらも30分で横断。
横断直後に「レインボー2」が吹っ飛んでいった。


松ヶ崎を越え、先に見える垂直に切り立った大頭崎(おおかしらざき)を回り込んだら、島津島キャンプ場があるはず。


島津島キャンプ場に到着。
昨日の明屋キャンプ場とは対照的な白い砂浜に上陸。
今日ここで泊まるのは自分一人のようなので、トイレのすぐそばにテントを張った。
しかし、どこに行っても焚火跡を始末しない奴がいるもんだ。
夕食は、またしても自炊から逃げ近くの食堂を探すことにした。
10分歩いた辺りで人に聞くと、そこから20分くらい先にあるとのこと。
て〜ことはキャンプ場から30分ってことね。
教えてもらったレストランには17時に到着。
開店は18時。
ふ〜1時間散歩だ!
(4日目につづく)