少しだけ さよなら

〜〜 母のメモより(原文) 〜〜

平成23年5月19日
入院してからケンサ、ケンサでいやになる ドウミャク、いたかった
おしこ、レントゲン、サイケツ、レントゲン 1日2かい そのうちの3時ごろからハイにくだを入れる
いたかった ハナからサンソ、せなかにくだ たいへんだ 夜になってからいたくて、いたくて いためどめのクスリをもらいのむ
ねむれないので、せいざ

平成23年5月20日
3カイから2かいに病室かわる くらくてせまくていやになる
上のほうがきれいだった

平成23年5月23日
10時ごろ先生が来てパイプのずれているとのことではりかえて それからいっきに水をぬかれたのでおかしくなって、おひる たべられなかった
レントゲン、さいけつもあるそうだ
せきどめもらってのむ おひるから先生なかなか来てくれない


8月18日 木曜日、病室に仕事道具を持ち込み、時々母と話をする。
病室の窓の外には、真っ青な空が広がっている。
母 「あ〜、外はいい天気だねえ…」

それが、意識のある最後の言葉になった。

5月17日(火) 最初の病状説明
5月19日(木) 入院
6月 3日(金) 退院、自分の自宅へ
6月22日(水) 再入院
6月22日(水) 余命告知(あと1ヶ月)
7月14日(木) 退院、母の自宅へ
8月 5日(金) 再入院
8月17日(水) 余命告知(あと数日)
8月21日(日) 永眠

母は、携帯のメールをうつことはできないが、届いたメールを読む事はできた。
自分が毎日送っていたメールは、何度も読み返していたらしい。
でも、8月5日に再入院してからはメールを読んでいない。
携帯を持ってメールを読む力も無くなってしまったんだろう。
母が亡くなった今も、開封していないメールはそのままにしてある。

30年くらいしたらまた会える。
その日まで、少しだけ さよなら…だ。

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