長距離カヤック航海セミナー

IMG_1622.jpg 雲一つない快晴の土曜日。
小西さんが主催する「日本一周 シーカヤック・セミナー」に参加してきた。
会場は、大桟橋の入口にある波止場会館。

小西さんはこのブログで何度か登場しているので、今更紹介するまでもないけど、先日621日間10,692キロという前人未到の大航海を終えたパドラー。
その航海の間にどのような事があったのか…、生の話しを聞きたいと思った。

IMG_1626.jpg IMG_1625.jpg 会場の入口には、様々なメディアに取り上げられた記事と共に、実際に使用したカヤックと装備一式が展示してあった。
セミナーは10時からだから、すごく早起きして準備をしたんだろうな。
ご苦労様です。

小西さんには、620日目の航海に立ち会っているので、実際にカヤックや装備を見るのは2回目。
それでも、この補修に補修を重ねたスプレースカートや色あせたPFDを見ると、あらためて過酷で長かった旅を感じることができる。

IMG_1681.jpg これは、当日配布された《旅の軌跡》。
茅ヶ崎をスタートし太平洋を北上、津軽海峡を横断し北海道を時計回りに一周、再度津軽海峡を横断し日本海を南下、関門海峡を横断し九州の東岸を南下、鹿児島から一気にフェリーで石垣島へ移動し南西諸島の島々を一周しながら北上、種子島・甑島も一周しながら九州西岸を北上、五島列島・壱岐・対馬を一周し再度関門海峡を横断して瀬戸内海を小豆島まで往復、そのまま四国を半時計周りに進み、足摺岬・室戸岬・御前崎を通過しながら太平洋を東進、621日目に茅ヶ崎にゴール。
ふ〜〜スゴい!

日本のカヤッカーが企てる遠征を一気にやってのけてしまった。
ただ日本を一周するだけでなく、主要な島々も一周してきたことに、小西さんのこだわりを感じる。

セミナーでは、この旅の軌跡の報告と要所要所の感想や判断についてが1時間、その後で質疑応答の時間があった。
短い時間だったので、当然全てを聞く事はできないけど、写真とビデオを見せてもらいながらの報告は臨場感があり、旅の一部を知ることができた。

質疑応答では、自分も気になっていたことを質問させてもらった。

「天候や海況の判断と、その日どこまで行けるかというのはどう判断されていたんですか?」

「朝起きて、大きく息を吸い込むと気圧の違いというか、その日の天候がどうなりそうなのかが、なんとなくわかるようになりました。それと、事前に上陸地点の目星をつけておき、一つ先二つ先の上陸可能地点は何キロ先なのかを地図に書き込んでいました。上陸地点については地形図にある民家の有無を見て、水をもらう為に集落がある所にしていました。」

時間のある時には、ずっと地図を見ていたとのこと。
海図には潮流の向きと速度などが書かれているので、それを見て航海のプランを立てていたとは思うが、海と接していると、天候の予測もできるようになるってことね。
さすが10,000Km パドラー、"航海術" が体に染み付いている。


今後は、「湘南カヤックス」を立ち上げ、"日本の美しい海を伝える人" になる計画をしている。
一人でも多くの人に、小西さんの経験したこと、見て来たこと、それぞれの土地で暮らす人達のことを伝えていってもらいたいと思う。

小西さんのブログにあるプロフィール。
今からでも挑戦したいことは?という質問にこう答えている。
「現在進行中!」
旅が終わった今も、小西さんは挑戦を続けている。