風と鳥の島 礼文島3日目後半〜トド島へ〜

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鉄府の浜を出て、ゴロタ岬に向う。
海況は相変わらずベタベタの凪ぎ。
いよいよスコトン岬、そしてトド島が見れるっ!はずっ!

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ゴロタ岬の先にはもうひと山あり、そこをぐる〜っと回らないといけないかと思っていたら、漁船が一隻上の写真の右側を通って向こう側へ行った。
抜けられるのね…。
前後を見回し、漁船の来ないことを確認して私も通過する。

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振り返って鉄府湾を見たところ。
変な形の岩が突き出してる。

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岬と山の間の水路はそれほど狭くないけど、浅い部分が多いので漁船は速度を落として慎重に通過していたが、カヤックならどこを通っても大丈夫。

右側は岩山で、この先に立ち上がるゴロタ山(176m)からの景色は絶景らしく、一日いても飽きない…らしい。
左の山は "鳥の山"。
ともかく凄まじい鳥の数で、自分が山の脇を通過する時は、ギャーギャーワーワーと大騒ぎだった。
なぜ騒ぐ?…とよ〜く見てみたら、沢山のひな鳥達がいた。
突然の訪問者から家族を守ろうとしていたわけね。

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スコトン岬の少し手前に入り江があったので昼飯にする。
メニューはガーリックライスとコンビーフの生キャベツ包み、そしてビール。

この場所は漁師のボートも置いてあったので、陸上からも降りて来れる。
ただ、スコトン岬に行ったハイカー達が次に目指す先はゴロタ岬なので、この浜に降りてくる人はいないだろう。

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浜の海中にはこんなヒトデがたくさんいた。
そして、ムラサキウニも転がっている。
ん〜…このウニをとるのは "獲る"ってことではないよね?!…と解釈して、2つほど "取って"食べてみた。
ウニだ!

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満足な昼飯を済ませ、いよいよ今回のメインイベント…スコトン岬からトド島に向かう。

入り江を出ようとすると、何やら丸いものが水面に出ている。そして視線が合った!
アザラシがいる。
近づくと潜り、別の場所に顔を出してこっちを見る。視線が合う。
こっちも興味津々だけど、向こうも興味津々みたい。
少しの間、舟の周りで顔を出しては潜っていた。
かわいいぞアザラシ!

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スコトン岬に到着!
朽ち果てた番屋が最果ての地っぽい。そして時間が止まったような静寂感に包まれていた。

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バウを "さらに" 北に向けると、そこにはトド島が横たわっていた。
距離は1キロちょっと。

漕ぎ出せばすぐに着ける場所にあるが、トド島の周りには海流がある。
この島の辺りにボートを出し釣りをしている人に話しを聞いたところ…
「流れはその時によって違うので、どっちに流れているかはわからない。流れがある時はあっと言う間に流されるよ。」
穏やかに見えるけど流れはあるのか?

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アザラシの群れを見ながら島渡り。トド島が大きくなって来た。
流れは無い。

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トド島に到着!
地元の人に、「トド島は北側が上陸しやすい。」ってことを聞いていた。
ここまで来たら島の北側に周り、北の果てのそのまた北を見てやる!

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島を時計回りに周り、「トド島の北!」に出た。
しかしっ!なんとっ!そのまた北に島がある!種島?
悔しいがこの先には行けない。

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北側に広がる浜に上陸した。ついにここまで来ることができた!

ここにも朽ち果てた番屋がある。
現在のトド島は無人だが、昔はこの様な番屋が点在しコンブやウニを獲る為にここで生活した。

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そして沖を見ると…漕いで渡れそうな所に島がある。
後で調べてみたら平島というらしい。

行ってみたい。行けそう。
でも、今日は時間の関係で行けない…というか、そもそも渡れるのか?!
平島というからには、平島水道が流れているのか?!
ふ〜む…日本の北は奥が深かった!

あとがき:2012-8-20
イイダーに聞いたら、この島は平島ではないらしい。

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名残惜しいがトド島を離れ、時計周りに島を回って船泊へ向かうことにする。
記念に最北限の海の色を撮ってみた。
こんな感じ。
自分撮りの写真は無いけど、私はこの写真だけで大満足。

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島の東側の岬を回った。
こちら側は東の風に押され少し波がある。
そして、トド島側からスコトン岬を見た。これはちょっと気分がいい。

それにしても、スコトン岬とトド島の間は海が浅い。
これでは少し強い風が吹いただけで荒れるわけだ。

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ゴール&撤収場所の船泊総合公園に向かって、斜め前方からの向かい風、向い潮の中を最後の頑張り。
トド島からは7キロあり、思ったよりも時間がかかった。

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上陸!
2日間の航海が終わってしまった。
それにしても礼文島は素晴らしかった!
カヤッカーであれば、ここは遠征する価値のある場所だと思う。

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公園の駐車場を使って撤収。
郵便局の人には、香深で集荷をしてもらう予定だったけど、こっちに来てもらった。
それにしても郵便局の集荷サービスは便利。

ちなみに、郵便局に直接持ち込むと送料から100円割引してもらえる。
逆に言うと100円払えばどこへでも集荷に来てくれるってこと!
こんな便利なサービスを使えるなんて、日本のホールディングカヤッカーは幸せだと思う。

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カヤックも送り出し身軽になった。
あとは残りの荷物をノンビリとザックに積めて、香深行きのバスで今日の宿に向かうだけ。

雲のある夕焼けは好きだなあ。
日本の北端で見る夕陽を目に焼き付けた!

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香深行きのバスに乗った。
礼文島のバスは、バス停じゃなくても手をあげれば止まってくれるのでタクシー感覚。
ちなみに船泊から香深までは、タクシーだと5,000円もかかる。

窓の外ではスコトン岬に夕陽が沈んで行く。

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(旅を終えて)