風と鳥の島 礼文島3日目前半〜アナマ岩から鉄府〜
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礼文島3日目の朝は、アナマ岩で迎えた。
昨夜唸っていた風も静かになり、一晩中騒いでいた鳥達の声も気にならなくなった。
山々の頂きには霧がかかり、海にいるのにまるで山にいるような感じだ。
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朝飯は、お茶漬けと、その場で塩でもんだお新香で簡単に済ませた。
コーヒーで一服した後に海岸の裏手に回ってみたら、そこはイガイ達の世界だった。
まさに密集!
釣り竿を持って来て、これを餌に釣りをしてもよかったかも。
一見柔らかそうに見えるけど、密集しているからなのか、この上を歩いてもまったく潰れる様子がない。
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カヤックを水際に運んだ。
こういうスケール感のある出艇場所は大好き。隠岐遠征3日目の朝を思い出した。
⇨隠岐 3日目〜中ノ島明屋から知夫里島〜
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カヤックへのパッキングは昨日よりもスムーズ。
まだ2日目だけど、日に日に余裕のあるパッキングができる。
礼文島の海岸線は、来る前に何度もネットや本で確認していたので、だいたい頭に入っているが、とりあえずデッキのマップケースには今日後半のルートをセットした。
もちろんトド島も地図の中にある。
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水に浮かびスプレースカートをコーミングにかけている時、透明度の高い水中に目を奪われた。
エビアマモ(左)とスジメ(右)かな?!
とにかく礼文島の海中は、どこでもこのような海藻がユラユラしていて綺麗。
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少しルートと逆方向に漕いで、例の "一晩中騒いでいた鳥達" の住処を見に来た。
なんだか今はおとなしい。
礼文島は鳥の島だという事に、自分はこの時まだ気がついていない。
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あらためて進路を "北" に向けた。
山の頂きにかかる霧が、北の島っぽくていい雰囲気。
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滝はいたるところで落ちている。
昨日の断崖絶壁だけとは違い複雑な入り江や水路、そして海蝕洞が現れた。
ただ、西伊豆の様にすっぽり入れるような大きい洞窟はないので、もし礼文島に行かれるとしても、そんなものは期待しちゃいけない。
それに代わるすばらしい景色の連続で、まったく飽きる事がないので大丈夫!
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波もウネリもない海がどこまでも続いている。
ガスってるように見えるかもしれないけど、ただ曇り空なだけ。沖合の船もくっきり見えている。
そして、この海の先にはロシアの広大な未開の大地が横たわっている。
あらためて地図を見ると、ユーラシア大陸、サハリン、カムチャッカ半島など東ロシアの広大さに驚いてしまう。
この地域は、地球上に残された数少ない未開の場所。
夢の場所は、きりがなく存在している。
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緑のジュータンが敷き詰められた天空の台地から真っ逆さまに落下する滝。
湿った様な岩肌、深緑色の海。
何もかもが美しい。
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これはウニ漁の舟。
「ウニですか?」と声をかけたら、ニッコリとうなずいてくれた。
礼文島の漁師さん達は、けっこうフレンドリーなので嬉しい。
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漕いで来た方向を振り返って見た。
まだガスがかかってる。
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ゴツゴツした岩礁の間にできた浅い水路を抜けて行く。
海底は丸見え。
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草が山肌を覆ってる場所が増えてきた。
少し吹き出しの風があるのか、海面には美しい風紋が広がっている。
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番屋。
舟があるので、この時間には人がいるのかもしれない。
透明度の高い海がわかるだろうか?
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番屋の前の海底。
エビアマモ?スガモ? よくわからないけど、驚くほどの透明度。
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山全体が細い柱状節理でできている。
利尻島は火山の噴火でできた島だが、礼文島はまったく違い海底で島が出来上がった。
白亜紀の地層は島のいたるところで露出しているらしい。
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鳥の声がするので見上げてみたら、山の中腹にある草が敷かれた平な場所に鳥達の家があった。
海面すれすれの岩礁をねぐらにしている鳥もいれば、このように高く草に覆われた場所に住んでいる鳥もいる。
人間が地べたにへばりついて生活しているのとは違い、鳥は飛べるから3次元の世界どこでも生活できる。
ん〜〜うらやましい。
やっぱり生まれ変わるとしたら "虫を食べない" 鳥になりたい。
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水路は抜けられた。
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その辺りの海底。
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なぜか一部分だけ尖ってる山。
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鉄府が近づいてきた。
ずっと "圏外" だったスマホもようやくアンテナが立った…とメールのチェックをしていたら、さっきまで静かに漁をしていたウニ漁の舟がものすごい勢いでかっ飛んできた。
静寂な空気を突き破り、まるでレースでもしているかの様に先を争って港に戻って行く。
勇壮!海の男達はカッコイイ!
鉄府には車の通れる道路が通っているので、海が荒れていた場合の撤収場所として考えていた。
だけど、海況はご覧の通りで撤収の必要はまったく無い!
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鉄府の浜に上陸。砂浜だ!
浜と港は沢山の防波堤で守られていた。
浜の真ん前にある集落を歩いてみたかったけど、海岸から集落に上がる道が見当たらない。
海からの客は歓迎されていない?
(3日目後半につづく)