生きている

偶然にも、ちょうど息を引き取った時間と同じ 15:24 に眠っているお墓に着いた。
この時間になっても強烈な日差しが照りつけている。
たしか、1年前は曇り空で暑くはなかった。
母親の事は毎日思い出す。
自分の中ではまだ生きていて、長く会えていないだけのように感じている。
たぶん、心の中のどこかで "いないこと" を認めていないだけだと思う。
実家に住んでいる弟は、母親が最後に使っていたハンドバッグをいつも持ち歩いている。
会社に行く時も遊びに行く時も。
今日も見覚えのある黒いバッグを肩から斜めに掛けてやってきた。
1年は早い…。