12年目ぶりの一等賞 -佐藤琢磨-

takuma_20130422.jpg© INDYCAR

琢磨がやった!
ついにインディカーで勝った!
そして、「Toyota Grand Prix of Long Beach」という "TOYOTA" の冠がついたレースでHONDAエンジン搭載車が1〜4位を独占してしまった。

琢磨にとって、勝利のチャンスは、これまでにも何度かあったけど、もう一歩のところで勝てなかった。
でも今回は圧勝。
圧勝というのは、何も2位とのタイム差を言っているのではなく、勝ちっぷりが圧勝だったということ。
難しいスタートやリスタートの処理は慎重に、そしてオーバーテイクは琢磨らしくアグレッシブにいっていた。
そして、どの動きからも "自信" が感じられた。

琢磨が最後に勝ったレースは、2001年のマカオGP。
今回のロングビーチでの勝利は、なんと12年ぶりの一等賞ということになる。
長かっただろうなあ。
12年…考えてみたらF1を含めて12年もトップフォーミュラで戦っているんだね。
本当にすごい!

琢磨は人一倍努力する人だけど、回りにそれを見せないので勘違いしてる人が多いかもしれない。
これまでも挫折や苦難が度々あったにも関わらず、メディアに登場する時の琢磨はいつも笑顔を絶やさず、泣き言はいっさい口にしなかった。
そして努力する…琢磨はそういう人だ。
琢磨の勝利者インタビューでは、東日本大震災で被災した人達に向けた思いが語られた。
被災者に対して勇気を与えたい…とずっと気にかけていたからこそ出て来た言葉だ。
この2年の間、琢磨はその事を忘れなかった。


現在のインディーカーレースは、年間19レースあり、大きく分けてオーバルとロードという2つのタイプのサーキットで行われる。
オーバルトラックで行われる最大規模のレースは、インディアナポリス500マイル。
そう "INDY 500" だ。
一周4キロのトラックで行わるこのレースの平均時速は360キロ、客席数は27万(レース期間中の観客数は50万人)、優勝者の賞金は3億円。
全てが桁違いのこのレースで琢磨は2012年にとんでもないチャレンジをした。


少し長いダイジェストなので、忙しい方は12分くらいから観て欲しい。
最終ラップに入った時、琢磨は2番手。
そして、ターン1でフランキッティのインをつきトップに並んだ。
しかし、フランキッティはインをしめ、琢磨はイン側のグリーン近くまで寄せられスピンしてしまった。

これは無謀だったのか?
僕はそうは思わない。
琢磨のスピリットは "ノーアタック、ノーチャンス"。
戦う気持ちがあるからこそ、そこにドラマが生まれる。そして戦う気持ちが無ければ、チャンスは永遠に生まれない。
いつのまにか琢磨も歳を取ったけど、琢磨のスピリットは変わっていない。


あ〜〜それにしても…
安全対策なんだろうけど、リアタイヤを被うようなカウルを採用した現在のインディーカーは、カッコ悪い。

indycar.jpg© INDYCAR