夏祭り設営係

2ヶ月前、町内会の理事会で夏祭りの会場設営とトラックドライバーの役目を任命された。
貴重な土曜日と日曜日(午前中)の私用を取りやめ、この任務を果たさなければならない。

いつもであれば、用事が入って遊べない週末は、"雨よ降れ〜 風よ吹け〜" と祈るのだが、今回はそうも言っていられない。
土曜日に雨が降っしまうと日曜日に順延になるし、祭りの途中から雨が降っても面倒な事になる。はたまた風が吹くとテントが飛ばされてしまう。
なので、この日ばかりは穏やかな天気になる事を祈った。

IMG_7546.jpg 毎年行われる夏祭りは自宅近隣の三つの町内会が合同で行うイベント。
あっちこっちの町内会館にトラックで乗り付け、資材や飲み物を積み込んで会場の中学校に運び入れる。
会場には設営チームが待ち構えていて、テキパキと大テントやタープを組み立てていき、二時間もしないうちに、立派な会場ができあがってしまった。

同じチームの中にいた半分ルーマニアの人はこう言った。

ル「ヨーロッパだとこんなに短時間ではできないです。ぜったいにあっちこっちでケンカが起こりますよ。」
私「なんで?」
ル「向こうの人達は、あれやってこれやってと言われても、"オレはこんな事はやりたくない" とか "オレはあれをやる" とか言い出して、協調性がないですからね。」

ふ〜ん…やっぱり日本人って協調性があるってことなの?
あるいは、日本人が "我を捨てられる" というのは、根っこに流れているのが仏教の教えだからなのか、もしくは出る杭は打たれる的に我を出すことを封じ込められているからなのか…。
自分としては、いい意味として受け止めたい。

それにしても…、この会場が緑の芝に被われた場所だったらいいのになあ。
日本の学校が、そんな場所なら世の中がもっと楽しくなる。

IMG_7547.jpg テント設営が完了する頃、屋台の機材と食材を運ぶ業者のトラックが到着した。
これまた、テキパキと指示が出て、実にスムーズに各ブースに荷物が運ばれていく。

指示をしている人は、毎年このイベントの事務局をしている人だけど、その他の人達はほとんが初めて設営に参加している。
この様子を見ていると、ある程度の段取り表があって、何人かのリーダーがいれば、大きなビルなどで行われる避難訓練などはやらなくても、まったく問題なく事が運ぶように思える。

IMG_7554.jpg 我々町内会の屋台はかき氷と揚げたこ焼き。
揚げたこ焼きを作るには少し時間がかかるということで、事前にせっせと揚げてパックに詰めていった。

IMG_7560.jpg IMG_7562.jpg 15時半に夏祭りが始まり、大勢の人達が会場に訪れた。
かき氷はいきなり長蛇の列。揚げたこ焼きは誰もお客さんが来ない。
美味しいのに〜。

ブルーシートを敷いた仮設ステージでは地元高校生のジャズ部の演奏や、小学生の和太鼓などがあり、なかなか楽しめた。
ジャズ部には、今風に丈の短いスカートの女子や髪を金髪に染めた子供達もいたけど、そんなことはまったく関係なし!それぞれがソロを披露したりして、見事な演奏だった。
和太鼓部では、入部希望者が多いにも関わらず、太鼓の数が少ないので全員を受け入れられない…と顧問の先生が話していた。

ん〜…太鼓の音を聴いていたら、久しぶりに西馬音内盆踊りの寄せ太鼓を聴きたくなった。

IMG_7563.jpg 開始早々苦戦していた揚げたこ焼きは、ヤキトリ、焼きそば等のライバルを敵にまわして、なんとまっさきに売切れ。
皆さんご苦労さまでした!

午後7時、無事に夏祭りが終了。
設営チームは撤収チームと化して、これまたテキパキと会場を片付けていく。
空には怪しい雲が広がり、遠くでは稲妻がピカピカと光っている。
こりゃ、撤収中にドシャ降りになるかも…と覚悟していたけど、なんとか最後の荷物を運ぶ時まで天気はもってくれた。
そして家に着くやいなや、ザザ〜と雨が降ってきた。
晴れ男健在なり!