なめられた若者達

師走を駆け抜けた選挙が終わった。
自公が326議席を守り、数字的には選挙をやってもやらなくても同じ結果になった。

今回の選挙は、与党が「絶対に勝てる」と踏んで解散した。
なぜ「勝てる」と思ったか…、それにはいくつかの理由があったと思うので、自分なりに考えてみた。

- 消費税10%を先延ばしした事で、国民の暮らしを考えていると印象づけた
- 野党に強力なリーダーシップを発揮している人物がいない
- 沖縄の声は本土の人には届かない
- 投票率は低い、特に若者は選挙に行かない

消費税増税の先延ばしは、単に経済政策(アベノミクスなんて名前を付けるほどの優れた政策ではない)が思った様な結果を出せなかった為に延期しただけ。
でも、結果的に政策の失敗を隠す事ができた。
景気が良くならず、国民の多くは苦しい生活を強いられているはずなのに、"人がいい日本の国民" は、"あ〜消費税が上がらなくて良かった!" とお上に感謝してしまった。

二つ目。
野党の弱さは、悲劇的だ。
野党第一党の民主党は、前回の政権運営の失敗を国民に謝るでもなく、この2年間はただただ与党批判を繰り返すばかりだった。
そもそも、党首が魅力的じゃないのがマズい。
"この人に任せてみたい!" と思わせる人間的な魅力がなければ、その党の存在価値が薄らいでしまう。
維新の党を引っぱる橋下さんは、考えをはっきり言うし、自民党の誰が相手でも討論させたら負けないと思う。ただ、いかんせん喧嘩っぱやい。
彼には是非映画「どら平太」を見てもらいたい。本当に強い者は相手と同じ土俵には乗らないものです。

三つ目。
沖縄は頑張っている。
ただ、残念な事に本土の人達の多くは沖縄の問題を自分達 "日本国民" の事として考えていない。
"辺野古の移転が嫌だったら、そのまま普天間継続でいいんじゃない。" などと、まさに他人事と言うか上から目線で見ている人が多い。
太平洋戦争の時と同じで、本土で戦いを繰り広げているのは沖縄だけだ。
国民の信任を得た与党は、沖縄県民の声を無視し、ますます強行にプロジェクトを進めるだろう。
沖縄ガンバレ!

四つ目。
これが最も重要。
そもそも自民党は「若者」を数に数えていない。
いないものとして選挙戦略を立てている。
"どうせ奴らはシラケきっているので選挙には行かない" と思っている。
そして、正にその通りになった。
"棄権することでいまの政治にノーを言う" などと、言っている者もいるが、そもそも棄権するということは、"私は何をされてもかまいません" と言う意味しかない。
我が家の連中は、期日前投票をした自分を除き、投票に行かないつもりだった。
なぜ行かないのかと聞いてみると、"入れたい人がいない"、"どの政党にも入れたくない"、"誰に(どこに)投票していいかわからない"…と言っていた。
気持ちはわかる!自分だってそう思う。
でも、投票しなければ「その声」は届かない。
"消去法でいいから投票してきなさい。" と言って、法事から帰った夜19時近くに、3人を投票所の前で降ろした。

若者達はなめられている。
もっとも大きな声を持っているのは若者達である。ネットワークもすごい。
その若者達が、”政治への感心が無く”、”知ろうともせず”、”動かない” のは本当にもったいない。
国は声を出さなかった者達の世代を不利に扱う。
若者の皆さん、このままなめられ続けていいんですか?