40年ぶりの丹沢 〜鍋割山から塔ノ岳〜

IMG_4445_20151101.jpg今となっては珍しくなった飛び石連休の週末、海か?山か?と考えながら天気や海況を調べていた。
何気なく本棚から手にとった「週末トレッキングガイド」の巻頭にある「丹沢」」という字が目に入った。
記事には、美しい森と美味しそうな鍋焼きうどんの写真が載っていた。

11月1日 日曜日、丹沢に行くことにした。
丹沢…神奈川県に住んでいるのに、最後に行ったのは学生の頃。
ちなみに、その当時のルートはあまり覚えていなくて、ヤビツ峠から丹沢山に登り頂上の山荘で2泊、蛭ケ岳を経由して東海自然歩道に抜けた記憶がある。
今日のルートは、大倉から歩き始め、鍋割山〜塔ノ岳を登って大倉に下山する日帰りコース。
富士山が観たい!

PB010002.jpg朝7:12に渋沢駅に着き駅前のバス乗り場に行くと、すでに沢山の人がバスに乗車していた。
僕が最後の一人かな?と思って乗ったにもかかわらず、その後から10人くらいが乗ってきた。定員って何人なんだろう?
路線バスなので、当然途中の停留所のアナウンスもあり、ある停留所には男性が一人待っていた。
運転手さんがマイクで呼びかけた。
「前から乗ってくださ〜い」
もし、途中下車する人がいたら絶対に降りられない!

15分ほどで大倉に到着。
ここまで自宅から約2時間なので、奥多摩に行くよりも近い。
通称 "バカ尾根" を登り続ける根性はないので、鍋割山へ向かうルートを選択した。

PB010006.jpg急登が始まるミズヒ沢までは約1時間半弱。
会話をしながらのんびり歩いているカップルやグループを、シャカシャカと追い越しながら、あまり勾配のない林道を歩いて行く。

PB010011.jpg

ミズヒ沢に到着し休憩。
ボランティアで山頂まで運び上げるペットボトルはここに置いてある。
ザックに入れ終わった二人組の男性に声をかけてみた。
「どれくらい持って行くんですか?」
「4リットル持ちました。」

今日はウェアリングが難しい。立ち止まると空気が冷たく歩くと暑い。

丹沢 鍋割山 丹沢 鍋割山ミズヒ沢の標高は約650メートル、鍋割山は1272メートルなので標高差は約600メートル。
植林された樹木帯の中を登っていくと、ブナの紅葉も鮮やかな尾根道に出た。

丹沢 鍋割山 丹沢 鍋割山 丹沢 鍋割山秋の丹沢ってこんなに気持ちがいいんだ?!
他の人も所々で足を止め、綺麗に色づいた木々をカメラに収めている。
まだまだ登りは続くけど、そんな事はまったく気にならない。

丹沢 鍋割山 丹沢 鍋割山 鍋焼きうどん歩き始めて3時間。
鍋割山の頂上に到着したものの、残念ながらガスってしまい眺望は無い。
それにしても…まだお昼にはぜんぜん早い時間なのに、大勢の人が鍋を抱えてうどんを食べている。
ザックを空いてる草地に置き、小屋の配膳台の所にある注文表に名前を書いた。
なんと一人前の人の名前は「チバ」さんだ。
続けて「チバ」と書くと小屋の人が戸惑うかな?っと思ったので漢字で「千葉」と書いた。
うどんが出来上がるまで小屋の中で待っていると、名前が呼ばれた。
「え〜と、次はチバさんと…あれ?次もチバさん?カタカナのチバさんと漢字のチバさんどうぞ〜」
「はい、漢字の千葉です。」
と言って、念願の鍋焼きうどんを手に入れた。
箸置きのテーブルで、七味唐辛子を振りかけようとしたら、カタカナのチバさんが蓋を取って待っていてくれた。
ありがとうございます!

外の草地に腰掛け、まずはアツアツ鍋焼きうどんの写真を山岳会の面々にメールして羨ましがらせてやった。
頂上の気温は体感で5℃くらいなので、ザックからナノ・パフ・ジャケットを取り出して羽織る。
寒い中で食べる鍋焼きうどんは最高に美味い!

丹沢 鍋割山 丹沢 鍋割山 丹沢 鍋割山寒さに負けてこのまま下山してしまう人もいるけど、こちらは予定通り塔ノ岳に向かう。
食事の後にアツアツのコーヒーを飲んだので、水は200ccくらいしか余っていないけど、夏場じゃないので大丈夫かな?

鍋割山までの道も良かったけど、鍋割山から塔ノ岳に向かう道は更に良かった!
癒され度100%。
相変わらずの曇り空だけど、伊豆の山々も遠くに見渡せる。

丹沢 塔ノ岳写真を撮りながらノンビリ歩いて1時間。塔ノ岳山頂に到着。
こっちの頂上は鍋焼きうどんが無いので、皆さん昼飯を自炊するのに忙しい。
念のため水を補給しようと思い、尊仏山荘に入ってみると…ミネラルウォーター400円で、缶ビール500円とあった。
悩む事無くキリンをもらい、ブルボンの五穀ビスケットをツマミに一息ついた。
後はバカ尾根を下るだけだ。

大倉尾根 バカ尾根さて大倉尾根、通称バカ尾根の下り開始。
山岳会に「バカ尾根下山中」とメールしたら、「バカが移らないように」というありがたい返信が返ってきた。
しかし、ほんとうにこの道はバカで、ぜったいに登りでは使いたくない。
この道を登って来る人とすれ違う時は、思わず「ご苦労さまで〜す」と声をかけてしまう。
延々と続く階段を調子こいて降りて行ったら、だんだん膝が痛くなってきた。

下り坂に嫌気がさした頃、ようやく大倉バス停に帰還。
バス停には帰る人達が列をなしていた。
さてさて、打上げビールをどうするかっ?…相鉄線で途中下車し、銭湯に入った後で見つけた店は…最高の居酒屋だった。
あ〜酔っぱらっても膝が痛い。