最後の試練 北海道3日目〜帰路〜
北海道遠征最終日。
今日は午後から雨が降る予定になっているが、これまで一度も傘を使っていないことに気がついた。
しかし、我々は忘れていた。
心配しなければいけないのは雨だけじゃないって事を…。
三々五々街をブラついていた全員が予定通り ”時計台の近くの寿司屋” に集合し、予定通り正面に時計台が見える席に座った。
それぞれが食べたいものを注文する。
ところが、あれほど楽しみにしていたウニとボタンエビを私と女性陣は注文しない。
…シュニンが不思議そうに見ている。
最初に注文した寿司や料理が運ばれ、追加の寿司を注文するが、それでも、私と女性陣はウニとボタンエビを注文しない。
女性陣に引っ掛けトークを仕向けてみる。
私「あれ?女性陣はウニとボタンエビを食べないの?」
女性陣「ん〜〜…いいかな…」
なんとも歯切れの悪い答え方だ。
…シュニンが不思議そうに見ている。
美味しかった ”時計台の近くの寿司屋” での食事が終わっても、食べて飲む以外のプランを考えていなかった我々は、何もやる事がない。
仕方がないので、空港に向かうことにした。
空港に着いた後は出発の時間まで解散。
私は大丸札幌店の地下でお土産を買っていたので、空港でもやることがなく、仕方がないのでザックからMacBook Airを取り出して仕事なんかをしてみる。
飛行機は定刻からだいぶ遅れて、風雨が強くなった新千歳空港を飛び立った。
成田までの飛行時間は1時間半だ。
飛行機が水平飛行に入った頃、機長からアナウンスが入った。
「現在、成田では台風並みに発達した低気圧の影響で、着陸できない状況が多数発生しております。その為、多くの機体が上空での待機を命ぜられており、当機についても上空での待機を指示されています。状況がはっきりしたらあらためてご案内させていただきます。」
その後しばらくして、機長が決定事項を伝えた。
「当機は目的地を変更し、中部国際空港に向かうことにいたします。」
なんと!我々は名古屋に向かう事になった…。
どこを飛んでいるのかわからない。
しばらく飛行を続けたところで雲が切れ、海岸線が見えた。
機内に差し込む太陽の光の動きからすると、どうもある場所で旋回しているようだ。
「中部国際空港には多数の飛行機が向かっている為、当機は上空での待機を指示されております。」
17時43分、眼下に名古屋の街が広がった。
当初のフライトスケジュールでは、成田には16時20分に到着しているはずだった。
成田では滑走路がオープンになったらしく、この飛行機は燃料を補給して成田に戻る。
しかし、成田到着が何時になるのか全く予想できない。
終電が終わった時間に着くくらいなら、名古屋から電車かレンタカーで帰った方が確実に家にたどり着けるのだが、名古屋で解放してくれるかどうかはわからない。
19時25分、給油が始まった。
ルール上、給油中は機外に出なければならず、我々は横付けされたバスに乗るよう指示された。
ターミナルビルに入れてもらえないってことは、ここで解放されることはない。
20時40分、成田に向け中部国際空港を飛び立った。
果たして、成田上空の風は収まっているんだろうか?
機体はあまり揺れることもなく、成田国際空港に到着。
東京駅行きのLCCバスに間に合いそうだったので、大急ぎでバスターミナルに向かう。
そして無事乗車。東京駅では終電にも間に合った。
あ〜なんとか帰って来れました!
いろんな特技を持つ山岳会の中には、超雨男の他に超風男(女)も在籍しているらしい。
(あとがき)
翌日、ネットでこんな記事を見つけた。
⇨成田空港の強風、ゴーアラウンドや羽田・関空・中部へ多数のダイバート
⇨強風で着陸やり直しや目的地の変更相次ぐ 成田空港(動画あり)
なんと、ユナイテッド航空881便は、横田基地にダイバート(目的地外着陸)したらしい。
そして、この動画はJAL183便の機内アナウンス。どの飛行機も大変でした。