下北半島 〜旅を終えて〜

IMG_8740.jpg脇野沢で泊まった宿は、一泊二食付きで6,500円。
あらためてハマちゃんとビールで乾杯して、数日ぶりに "まともな" 食事にありついた。
隣の席で食べているのは、この宿常連のおじさんと、東北を車で旅をしていて明日は "ねぶた" を観に行く老夫婦。
常連おじさんからは、冷酒とミョウガをいただいた。ご馳走さまです!
食後、老夫婦のご主人と話をしていると、いつの間にかハマちゃんが寝落ちしてる。旅の疲れが出たのかな?

常連おじさんから、地元の人はイカを朝にしか食べない…という話しを聞いた。
イカ釣り漁船は夜中に漁をして早朝に帰ってくる。地元の人達は水揚げされた新鮮なイカしか食べない…という事らしい。
我々が夜の居酒屋で食べているイカなど見向きもしないのである。
…という話をしいていたら、翌日の朝食にはしっかりイカの刺身が出た。

脇野沢脇野沢脇野沢脇野沢脇野沢例によって、知らない場所に泊まった翌日の朝は散歩する。
道行く人と挨拶を交わしながら村のはずれにある八幡宮に行ってみたものの、アブの攻撃にあったのでそそくさと退散。
その後、港に行ったらハマちゃんも散歩していた。
「アブいますよ!」
と脅かされる。

2枚目の写真は、港にあった何だかよくわからないモニュメント。
これよりは、綺麗に整備された道端にある子供達の作った「ホタテカイガラタイル」の方が100倍いいなって思った。
脇野沢の人達は誰もがみんな穏やかで村も綺麗。

P8040001.jpg下北半島の町村はこんなふうに分かれている。
2008年に就航した高速艇「ポーラスター」は、それまでは「ほくと」という名前の船だった。
「ほくと=北斗七星」、「ポーラスタ=北極星」でどちらも星の名前が付いているけど、僕の好みはだんぜん日本語の「ほくと」。

それと下北で思い出すのは、戊辰戦争で敗れた会津藩が国を追われ、この地に斗南藩を作ることになった事。
会津からは17,300人余りが新天地へ向かったものの、会津とは比べようもない厳しい土地のため、移動中や入植先では多くの人が飢餓や寒さで亡くなってしまった。
当時、薩長を中心とした新政府軍が、なぜあれほどまでに会津を追い詰め滅ぼそうとしたのか僕には理解できないけど、勤勉で誠実な会津の人達の苦難を思うと胸が痛む。

tonanhan.jpgちなみに、斗南藩パンフレットによると斗南という名前の由来には2つ説がある。
一つは中国の詩文の中にある「北斗以南皆帝州」から取ったとするもので、北の辺境に流されて来たが、ここも天皇の国には変わりなく、いつかは南に帰りたいという願いからつけられた…という説。
もう一つは、「北斗七星」に対してつけられた呼称である「南斗六星」を語源とするもので、南斗六星は射手座の中央部を指す。この星座は射手(会津藩)が永久に放たれることのない矢を隣のさそり座(薩長)に向けている…という説。
僕は、その両方の意味があるように思う。

P8030227.jpg民宿を出る際、同宿していた老夫婦と一緒になった。
ハマちゃんの大きなバックを見て不思議そうにしているので、折りたためるカヤックで下北半島の海岸線を旅したって話しをするとビックリしていた。
キャンプ地で拾ったガラスの浮き玉を見せたら「こういうの好きです」と言われたので一つ進呈する事にした。

8時のポーラスターで無事青森港に到着。港から青森駅までは徒歩10分。
青森駅でハマちゃんとはお別れ。彼は5時間の長旅で三陸に向かう。
ハマちゃんお世話さま!とても楽しかったです!
予約していた新幹線の切符をもらうために緑の窓口へ行ったものの、お客さんの進みが遅く、危うく新青森駅行きの電車に乗り遅れるところだった。

下北…3年前に立てた計画をやっと実行する事ができた。
ハマちゃんが「ご一緒に」と言ってくれなければ、来年また来年と延期してしまったかもしれない。
アブ・蚊地獄の地ゆえ、虫除けスプレーは必須装備。(僕が常に装備しているスプレーは、ムヒの「ムシペールα」で成分はディート)
幸いアブには刺されなかったけど、テントの中に紛れ込んだ蚊には10数箇所刺された。
その事を除けば、下北半島でのキャンプツーリングは最高。
ロケーションもいいし、薪もふんだんにあり、人もいない。しかし、いちおう半島全体が国定公園になっているので、目立つ場所ではやらない方がいい。
クマがいるのでは?って思う人がいるかもしれないけど、九艘泊の漁師さんに聞いたらクマはいない(出ない?)との事だった。
今回は津軽半島側の蟹田から海峡を横断して下北半島に渡ったわけだけど、海峡横断は何かとリスクがあるので、青森から高速艇ポーラスターで福浦や牛滝まで行って、一泊二日でツーリングするのがいいかもしれない。
フィールド自体はあまり大きくないので、それでも十分楽しめると思う。

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