金曜日の治療

最近、我が家の主人(あるじ)に私の希望を1つだけ認めてもらった。
「金曜日は夕飯いりません。」
亭主関白で好き勝手できる男性が世の中でどれくらいいるかは知らないけど、少なくても我が家では何をするにも主人の許可をもらわなければならない。
"いちおう" 主婦をやっているように見える女性何人かに聞いてみた。
「旦那さんから、今日は飲んでくるので夕飯いらない。…と言われたらどう思う?」
「大歓迎!! 帰って来ないならもっといい。なんなら何日も仕事や旅行で帰って来ないなら嬉しい。」
ふむ…我が家が特別なのだろうか?
それとも、「大歓迎!!」とキッパリと言い切る女性達が特別なのだろうか?

ということで、雨の金曜日。
野毛にある小料理屋の小さなサッシの引き戸を久しぶりに開けた。
一人なのでカウンターである。
本当ならとっくの昔に期限の切れているキープボトルを自分で探し出し、店の主人が出してくれる料理を待った。

IMG_3051.jpgお刺身の後で、白身魚のガーリックソテーと土瓶蒸しが出てきた。
土瓶蒸しは一年ぶり。
もう秋である。

政府は、国民から預かった社会保障費を払いたくないとばかりに、「一億総活躍社会」などという「死ぬまで働けキャンペーン」を打ち出しているけど、人間60歳を越えれば疲れるし、息抜きの時間をしっかり取りストレスを吐き出さなければ、病気になってしまう。
そう、ちょうど映画「グリーンマイル」のように、悪いものは体の外に吐き出さなければ人間は死んでしまうのである。
そんなこんなで、私が家の主人に求めたのは、"金曜日の希望" ではなく "金曜日の治療" なのである。