鍋焼きうどんとシロコロ 〜鍋割山〜

11月15日 水曜日。
14人中11人がザックを抱えていた日曜日の小田急線とは大違いで、電車の中で遊びに行くかっこをしている人は皆無。
スーツ族の通勤風景を見ながら遊びに行くというのは…なかなかいい。

大倉バス停バスもガラガラ。
平日遊ぶのは、我々の様な年配の人だけだろうと思ったら、意外に若い人達もいてびっくり。
予定通り大倉で山岳会の4名が集合した。
ザックの大きさを見る限り、ボランティア歩荷を行う気満々なのが2名。
女子1号と私は、20リッターザックなのでやる気ゼロである。
本日のルートは三日前と同じで、後沢乗越経由で鍋割山にまっすぐ登り、小丸、大丸を経て大倉尾根から下る。
この時期は陽が短いので、念のため全員ヘッドランプを持参している。

今回の企画者であるシュニンは、10月末で仕事を半分引退していて、11月は全く仕事をしていない。
ここ最近は、車でドライブしては日帰り温泉に行ったり、蕎麦屋巡りをしているだけで、輪行用の自転車は(たぶん)部屋の中でホコリを被っている。
要は完全に運動不足である。
にも関わらず、頭の中には "鍋焼きうどんの待ち時間" しかなかったので、三日前に一言声をかけておいた。
「標高差1,100メートル、累積標高は1,300メートルくらいあるかなぁ、このルートはなかなか厳しいですよ〜。」
「登れっかなぁオレ...」

鍋割山ボランティア歩荷用のペットボトルは、3名がザックに入れた。
なんと、大きめザックを背負ってきた女子2号は、頑なにボランティアを拒否。
「私は2年前に運んだからいいんですぅ〜。」
などと言って、口を尖らせている。

ミズヒ沢から急登が始まる。
きつい登りが続くこの道も、様々に色づく木々の葉や、木立の間から見え隠れする山々を見ながらノンビリと行けば楽しめる。
ついつい他の人のペースに惑わされてしまいがちだけど、山登りは競争ではない。
自分のペースで楽しみながら登ればいいのである。

運動不足のシュニンが遅れだした。
先に行っていいというので、少し先行しては待つがなかなか追いついて来ない。
そんな事を何度か繰り返した後、先行組は11時半に山頂に到着。

鍋割山鍋焼きうどんの待ち時間は30分。
ザックからフリースとジャケットを引っ張り出して羽織り、寒い頂上で赤飯オニギリをビールとウィスキーで流し込みながら待っていると、遅れていたシュニンが到着した。
直前に、鍋焼きうどんが出来上がったので、希望通り"待ち時間ゼロ" で鍋焼きうどんにありつけたことになる。

鍋割山鍋割山シュニンは登りで足がつりそうになったということで、大倉尾根には回らず、来た道を引き返すことになった。
一旦ここでお別れ。
鍋割山から金冷シまでは、多少のアップダウンはあるものの、ブナの原生林の中を行く気持ちのいい道。
せっかく鍋割山まで登ったんだから、シュニンにもこの道を歩かせてあげたかった。

大倉尾根大倉尾根に入り暫く進んだところで、女子2号の膝が根を上げてしまった。
聞くところによると、登りの時から違和感があったらしい。
しかし、頑張って下りるしかない。
膝のトラブルは自分も経験があるだけに辛さがわかる。
私が膝サポーターを貸そうとしても一旦は断っていたものの、途中で着ける事になった。
サポーターは痛くなってから着けても痛みを消すことはできないので、膝に不安のある人は最初から着けていた方がいい。

先に行っていいというので、少し先行しては待つ事を繰り返した。
大倉バス停まで残り30分の所からは、健康体の女子1号と共に早歩きし、心配して待っているシュニンを安心させる事にした。
シュニンは、この後に控えているもう1つのイベント…「シロコロ打ち上げ」の予約時間とにらめっこしているはずだ。
当初予定していた16時22分のバスには間に合わない。
次のバスは16時52分。
これに乗れば、予約時間の10分遅れで到着できそうだ。
発車時間まで残り4分を切り「もうダメかぁ〜」と諦めかけたところで、女子2号から連絡が入った。
「もうすぐバス停です。」
でかした!頑張った!
発車10秒前に無事バスに乗ることができた。

なんとか辿り着いたシロコロ打ち上げ会場では、なんとシロコロが品切れ。
しかし、ただのシロでも十分美味い事を発見。ハツもカルビもめちゃ美味い。
さすがホルモンの街である。