東北タイの子 -ลูกอีสาน-

今年も「東北タイの子 -ลูกอีสาน-」が映画祭で上映された。
爆音映画祭2019 タイ|イサーン特集

bakuonthai2019.jpg「東北タイの子」は、1979年に東南アジア文学賞を受賞したカムプーン・ブンタウィーの同名小説を映画化したもので、映画の中でカーおじさん役で出演しているのはカムプーン本人である。
常に洪水と干ばつに悩まされるタイ東北地方は、バンコクのような都会に住む人達からは「イサーン」と呼ばれ、貧困と同義語のように思われている。
この作品は、クーン少年一家が雨季を待つ数ヶ月の暮らしの中で、両親から人生を学んでいく様子がコミカルに描かれている。
監督は、数多くの映画賞を受賞したウィチット・クナーウット。
スラサワディー賞4部門、スパンナホーン賞8部門、マニラ国際映画祭で2部門を受賞した。

この映画は、1994年に故鈴木哲夫と私が立ち上げたプロジェクト「オリエンタルブリーズ」が、タイの映画会社から日本語ビデオ化の権利を買ってリリースした作品で、日本でフィルム上映される際は、その時につけた日本語字幕がそのまま使われている。
「オリエンタルブリーズ」は既に活動をやめているが、映画祭の主催者は今でもその名前をクレジットに入れてくれている。
このプロジェクトは、持ち出しばかりで全く利益は出せなかったけど、少しだけ世の中の為になったかもしれない。
3年前にこの世を去った鈴木も、天国で喜んでいるだろう。

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