南三浦と雨崎の砦 〜菊名から毘沙門〜

1月19日 土曜日、今日は風もなく気温も上がって絶好のカヤック日和り…のはず。
菊名海岸の駐車場には8時少し前に到着。当然ガラガラである。
例によってコーヒーを飲みながら海を眺めた後でカヤックを組み立て始めた。

IMG_8281.jpgカヤックを肩に担ぎ、まっすぐに海岸に向かって行くと行き止まりになった…なんと!! 駐車場の南側で海に流れ込んでいた川の流れが変わっていた。
ちなみに、以前の流れはこんな感じ。

googlemap_20190119.jpgIMG_8279.jpg南側に蛇行していた流れが北側に変わり、グニャグニャと蛇行しながら岩場の方まで続いている。
これは、今後でっかい台風でも来ない限りずっとこのままなんだろうか?

IMG_8282.jpg岩場の辺りで荷物をパッキングして準備完了。
今日はワンウェイではなく、戸津浜(遠津浜)の状況を確認してから毘沙門か城ヶ島まで行き、昼飯を食べた後で折り返して来る。
速攻で撤収し、家にカヤックを置いた後で一杯飲みに行ければ完璧な1日になる。

P1190010.jpg透明度の高い金田湾を雨崎に向かって行く。
思ったよりも北東の風が強く、岬に近づくにつれうさぎが飛び始めた。
干潮時間とも合間って、水深の浅い雨崎辺りはそこら中で波が砕けている。
この辺りは少しくらい沖出ししても安心できない。
チラチラと見た恒例 "雨崎チェック" の結果は「0人」。ただし以前と何かが変わってる様に感じた。

P1190011.jpgP1190013.jpg戸津浜には一艇のボートがあり、その傍らに数人の釣り人が立って海の様子を見ていた。
そこに私が上陸して来たので、さっそくインタビューされた。
「どうでした?」
「思ったよりも風が吹いているので、ここから見るよりも荒れていますよ。」
「やっぱりそうですか。うさぎ飛んでますもんね。」
「アジですか?」
「いやタイです。この辺りは結構でかいのが釣れるんですよ。カワハギも30センチくらいのが釣れますよ。」
「へ〜大きくても味は同じなんですか?」
「同じ。肝も大きいから食べ甲斐あります。」
「どこまで行くんですか?」
「あそこに黄色いブイが二つあるの見えますよね?あそこまで行きます。そちらはどこまで行くんですか?」
「もう少し南に下ってみます。たぶん海も落ち着くと思うので。」

15分後、エールを交換してボートが出艇。
こっちもカヤックに乗り込んだ。戸津浜は変わっていなかった。

P1190018.jpg剱崎まで来ると風も落ち、いつもの南三浦の海に戻った。
剱崎灯台の隣に建ったアンテナは景観上よろしくない。

P1190019.jpg釣り人に注意しながら剣崎を回り込む…いつ来ても、この瞬間はワクワクする。

P1190029.jpgP1190028.jpg大波が立っている横瀬島はスルーして、毘沙門の東風崎に向かう。
海の色が蒼く輝いている。久しぶりに見るミウラ・ブルーで気分よし!!

IMG_8289.jpg東風崎という名前の通り、東からの風が寒いので風裏になっている西側にカヤックごと移動して、ピクニックシートを広げた。
ポカポカである。

IMG_8285_20180119.jpgIMG_8288.jpgスプレーを浴び潮で真っ白になってるパドリングジャケットは今日もReedのセミドライトップ。
ネオプレンやラテックスのように首も袖口も伸びないので、一旦着てしまうと脱ぐ気がしない。
素材はゴムの様な感じなので、洗った後はなかなか乾かない。
また、フードもついていないので、ツーリングジャケットを探している方にはお勧めしない。

ここの浜は貝浜なので、座っていても気持ちがいい。
ただし、夏の夜は場所によってフナムシがわんさか歩き回るので、虫が嫌いな人は覚悟が必要。

IMG_8290.jpg誰もいない、誰も来ない浜を少し歩いてみると、焚き火をした跡が何ヶ所かあった。
それほど汚い感じではなかったけど、後始末した様子もない。
せっかく綺麗な海岸なんだから、後から来た人が不快に思わない程度の後始末はしてもらいたい。
飛ぶ鳥跡を濁さずです。

IMG_8294.jpgP1190037.jpg1時間半ほどノンビリしてから、居心地の良かった浜を後にする。
天気は快晴、そしてスーパークリアな海が広がっている。

P1190042.jpg帰りの海も、蒼い海がどこまでも広がっている。
こんなに素晴らしい海なのに出会うのは、タバコを吸いながらカヤックを追い越していく漁師さんの小型のボートだけで、カヤッカーは一人もいない。
岬の先端はどこも三角波が立っていた。

P1190047.jpgP1190050.jpg往路ではうさぎが飛び交っていたウミウの島辺りも、穏やかな海が戻ってきていた。
カヤックに気が付いた最初の数羽が下手くそなランディングで島から離れ、その後は我慢比べの様に徐々に飛び立ち、島の横を通過する時は一羽も残っていない。
死ぬまでに一度でいいから、カヤックの上に止まるカモメやウミウを見てみたい。

雨崎まで来て再度 "雨崎チェック" をしていると、往路で違和感のあった理由がわかった。
草と木の枝で作った様な小さな砦があり、その近くで動く二人の人間が見えた。
これはどう理解すればいいのだろうか?
住んでる?
昔、エビカの浜の洞窟に一人の男が住んでいた。
エビカのオヤジは生きていた
もう、エビカのオヤジはいない。
雨崎にも洞窟はあるが、この砦は大きな落石を挟んで洞窟とは反対側にある。
勇気のあるカヤッカーの方は、どうぞ上陸して話を聞いてみてください。

P1190051.jpg雨崎を回り込むと、現実の世界に連れ戻された。
ほんの数分前まで、私はパラレルワールドの別の三浦半島にいたようなギャップ感だ。

金田湾では終始海底が見え、海藻が生い茂る場所では水面下を小さな魚が泳ぎ回っていた。
いつもは退屈な金田湾だけど、今日は楽しい。

P1190054.jpg14時過ぎに出艇した菊名海岸に帰還。
この時間なら、自宅で後片付けをしても、ちょうどいい時間に六浦に行って一杯できそうだ。
やっぱり南三浦の海はいい。

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