ジム・ラッセル -Jim Russell- さん逝去

2019年3月30日 ジム・ラッセルさんが亡くなった。
98歳だった。
「ジム・ラッセル」と聞いても最近の若いレースファンやドライバーは知らないかもしれない。
しかし、私くらいのオヤジだと、一度はその名前を聞いた事があると思う。
ネットで検索しても、ジム・ラッセルさんの写真を見つけられないと思うので若い時の写真を貼ります。

jimrusell.jpgジム・ラッセルさんは、私が生まれた年と同じ1957年に、イギリスでレーシングスクールを開校した。
このスクールの卒業生には、ジル・ビルヌーブやジャック・ビルヌーブそしてジェンソン・バトンなども名を連ねている。
スクールに参加した当時の彼らは、既にレースに参加し、トップを走れるようなドライバーだったが、あえてこのスクールに参加して、ドライビングの基本を学んでいた。
私も、高校を卒業した時に、このスクールの事を知り受講してみたいと思った事がある。

1998年はラリーアートが日本からの参加者を募集していて、H.I.Sがツアーを主催していた。
例えば、1998年7月にイギリスのドニントンパーク・サーキットで開催されるスクールに日本から参加する場合の日程は、1998年7月18日(土)〜7月28日(火)で、実際のスクールはイギリスに着いた翌日から始まり期間は7日間。
金額は123万円だった。
この金額は、飛行機代、ホテル代、食事代、スクール受講費用、保険、通訳などが含まれているフルパッケージで、おまけでスネッタートンで開催される国際ツーリングカー選手権(BTCC)の観戦費用も含まれていた。

jimrussel2.jpgちなみに、スクールが6日間だった頃のカリキュラムはこんな感じ。
1日目
10:00 入学手続き
    レーシングスーツ・ヘルメットの貸出し
    スクールカーの割り当てとシート合わせ(1人1台)
14:00 スクール受講のブリーフィング
16:00 コースレセプション

2日目
08:30 スクールカー(フォーミュラ・ボクスホール・ジュニア)解説
    エンジン始動方法、各種スイッチ、メーターの説明
09:00 スクールカー(ボクスホール・アストラ)解説
09:30 基本テクニック実習
    ブレーキング、ヒール&トゥの反復練習
12:30 サーキットウォーク
13:30 昼食
    講義(レーシングテクニック、サーキット走行ライン)
17:00 スキッドコントロール講義

3日目
08:30 サーキット・ラッピング [第1段階]
    スキッドコントロール実習
09:00 サーキット・ラッピング [第1段階/ボクスホール・アストラ使用]
11:00 講義(コーナリングセオリー)
12:00 昼食
13:00 サルーンカー講義
15:00 サーキット・ラッピング [第1段階]

4日目
08:30 サーキット・ラッピング [第2段階]
    スキッドコントロール実習
17:00 講義(実践レーシングテクニック)
18:00 講義(スポンサー獲得方法、報道関係者への対応方法)
19:30 ディナーパーティ

5日目
08:15 サーキット・ラッピング [第3段階]
    競技参加者のための実践講義
12:00 ドニントンコレクション見学
14:30 ライセンス申請説明
    レース参加申込説明
15:00 レースブリーフィング
17:00 講義(卒業後の進路について)

6日目
07:30 レース参加確認
08:00 レース出走前チェック
08:30 レース前ブリーフィング
09:00 公式予選
12:00 昼食
13:00 決勝レース
18:00 レース表彰式
    卒業証書授与

サーキットドライビングの基本を学べるのはもちろん、スポンサーの獲得方法や報道関係者への対応などについても学べる素晴らしいカリキュラムである。
日本でモータースポーツに参加する人のほとんどは、この勉強をしていない。

フォーミュラカー・レースの発展に貢献したジム・ラッセルさんのご冥福をお祈りします。

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