利権屋大会 -東京オリンピック-

最初に言っておくと、私はスポーツの祭典が大好きである。
オリンピック・ムーブメント -ソチ SOCHI 2014-

2020年のオリンピック・パラリンピック大会が東京に決まってから、早いもので6年が経とうとしている。
そして、ほとんどの選手(特に日本の選手)が東京オリンピックで活躍する事を目標にしている事も知っている。
開催まで1年ちょっととなった今、それでもあえて言いたい。
私は「東京オリンピック」に反対である。
なぜか…それは、この大会が嘘や買収で誘致した利権屋の為のものであって、決して出場する選手達の大会ではないと思うからだ。

2013年9月に行われた最終プレゼンテーションでは、高円宮妃久子さま、佐藤真海選手、滝川クリステルさんのプレゼンは爽やかだった。
ところが、安倍晋三の嘘だらけのプレゼンは、聞いているだけで反吐が出た。
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私が安全を保証します。状況はコントロールされています。
汚染水は福島第一原発の0.3平方キロメートルの港湾内に完全にブロックされている。
福島近海でのモニタリング数値は、最大でもWHO(世界保健機関)の飲料水の水質ガイドラインの500分の1だ。
健康に対する問題はない。今までも現在もこれからもない。
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よくもまぁ世界中の人々を前に、こんな嘘・御託が並べられたものだと心底呆れるし、安倍の保証など詐欺師の口約束にも劣る。
東日本大震災の被災地に寄り添うと称した「復興五輪」という言葉も胡散臭い。それなら福島でやれよってことである。
「復興五輪」に向けた取組
復興ポータルサイト
8年 〜東日本大震災〜

また、2013年6月に行われたアフリカ開発会議での安倍スピーチはこんな感じで、大っぴらに札束をチラつかせている。
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今後5年間で、わが日本は、最大約3.2兆円、320億ドルの官・民の取組みによって、アフリカの成長を支援します。ODAは約1.4兆円、その他官・民による資金は約160億ドルです。
また、最大20億ドルの、貿易保険を引き受けます。
今回、準備のプロセスで、私たちは、いま最も力点を置くべき分野は何かを、アフリカ各国に聞きました。答えは、いつも同じでした。インフラ整備、産業人材、保健、農業です。そしていつも、鍵は、「人づくり」です。これは、日本が力を発揮したい分野です。
まずインフラ整備です。我が国は今後5 年、約6500億円、65億ドルを投じます。
そして、かつて、アフリカ勃興を、世に知らしめる舞台となった東京オリンピックが、2020年に、再び開けますよう、皆様の、ご支持をお願いします。ここも、拍手を頂きたいところであります。
https://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2013/0601speech.html
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2020olympicemblem.jpgそして、開催地が東京に決定した後は、すったもんだのオンパレード。
選考経過が不透明だった大会エンブレムの変更。
メインスタジアムのデザイナー変更と建設費高騰。(私は、今でも旧国立競技場のリノベーションがよかったと思っている。)
サマータイム導入…などなど。
ちなみに、「東京大会のコンセプト」にはこんな事が書いてある。
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2020年東京大会の理想的な日程
7月25日(土曜日)から8月9日(日曜日)までの16日間で開催し...この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である。
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大嘘である。

次に話題になった大会経費の高騰は、まさに利権屋の面目躍如である。
誘致当初に表に出ていた約7300億円の予算は、現在約1兆3,500億円。
組織委員会およびその他の経費
しかし、これは直接経費のみであって、間接経費を含めると大会予算の総額は約3兆円。
国内スポンサーなど収入が6,000億円なので、残りの2兆4,000億円は国や東京都が負担する税金である。
これまた「東京大会のコンセプト」から抜粋。
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都市の中心で開催するコンパクトな大会
東京圏にある33競技会場のうち28会場、全てのIOCホテル及びIPCホテルが選手村から半径8km圏内に存在する、コンパクトな大会を開催する。
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3兆円かかるオリンピックは全くコンパクトではない。
かかる税金2兆4,000億円の内、大会後にも役立つ投資がどれくらいあるのかわからないが、デザインが似ている味の素スタジアムの5倍もかけて建築される国立競技場以外大したものは残らない気がする。
ちなみに、税金2兆4,000億円で何ができるかというと…
-80万人分の保育所建設
-18万人分の特別養護老人ホーム建設
-80万教室分のエアコン設置
である。

もう一つ話題になったのはボランティア問題。
1日8時間程度拘束されるボランティアの募集人数は80,000人。そして支払われる報酬は1日1,000円程度のプリペイドカード。
応募が殺到したらしい。
ところが、この運営を取り仕切るのは例の竹中平蔵が取締役会長を務める大手人材派遣会社のパソナ。
https://www.pasonagroup.co.jp/tokyo2020/topics/?itemid=2599&dispmid=1919

国がパソナに払う金額は非公表となっている。
仮に、1人日3万円だとすると、1日当たりの経費は「80,000人 X 3万円 = 24億円」
パラリンピックを除く開催期間で計算すると…「16日間 X 24億円 = 384億円」がパソナに支払われるだろう。
対して、パソナからボランティアに支払われる金額は「80,000人 X 1,000円 X 16日間 = 12億8000万円」。
ぼろ儲けである。
そして、その中から誰かさんにキックバックが払われる。

ふ〜〜書いているだけでため息が出る。
そして、一昨日チケットの当選結果が発表され、芸能人の誰それが当たった外れたなどの話題で持ちきりになった。
"東京オリンピックに反対である" などと言っている人間は極めて少数派なのかもしれない。
しかし、私は何度でもどこでも言い続ける。
この利権にまみれた薄汚いオリンピックには断固反対である…と。