ハムレットの夜

温泉で身も心もサッパリとした後、クロックスを引っ掛けて街にくり出した。

IMG_1918.jpgIMG_1919.jpg一軒目は、居酒屋。
先客はカウンターの奥に中年の夫婦。私はいつもの右端の席に座る。
冷蔵庫から瓶ビールを取り出すと同時に、サクッと3皿の小鉢が出てきた。
「それ食べて、ちょっと待っててね。」

ビールが終わり、冷蔵庫から取り出した黎明(れいめい)を片口に注いだところで、お刺身とアジのフライが "支給" された。
この店でアジフライを食べるのは初めてだったが、どちらも絶品。

一人二人とお客さんが入ってきて、気がつくと満席。
今日のお客さんは、地元民と半地元民と私の様なよそ者が1:1:1の割合で、端の席からお客さんの会話を聞いていると楽しい。

奥に座っている中年夫婦に、隣に座っているサーファーがソウルバーを紹介している。
下田には何度も来ているのに、私はペリーロードの場所もわからないし、サーファー連中の会話に出てくる海岸の名前はわかっても、飲み食いできる店はほとんど知らない。
たまには、他の店にも行ってみようかな…と言ったら、女将さんが「ぜひ行ってみるといい」と勧めてくれた。

IMG_1920.jpg22時、ソウルバーの扉を開けると、さっきまで同席していた中年夫婦がいた。
挨拶して、反対側の端に座る。
このバーは素晴らしい雰囲気で一瞬で気に入ってしまった。
ジンをストレートでもらう。
続けて三軒目は、女将さんの知り合いのカラオケバーへ。
勧められたカラオケを断り、スコッチをストレートでもらう。

三軒目の店を出て宿に戻る途中、最初に入った居酒屋の前を通った。
店の灯りはまだ点いている。
「入るべきか、入らざるべきか、それが問題だ」…ハムレットの夜は過ぎてゆく。

IMG_1925.jpg翌日朝、外浦には冷たい風が吹いていた。
残り物の行動食とコーヒーで朝飯。
湘南国際マラソンでまさかの大渋滞に巻き込まれながら帰途についた。