快晴の逆ルート 〜苔の道と茶臼山〜

女性の友達は何人かいる。同級生を除くとユキちゃんは一番古い女友達である。
毎日自宅近くの森を散歩し、湘南の朝焼けを見ながら歩いているユキちゃんだけど、ここ数年は母親の介護があるので、泊まりで遊びに行くことはできない。

10月2日 金曜日、そんなユキちゃんと日帰りで八ヶ岳に行く事になった。
今年会うのは初めてである。
待ち合わせは、朝5時に西鎌倉にあるコンビニ。
最近は日が短くなり、その時間でも外はまだ暗い。暗いうちから行動するのは大好物である。

ピックアップ後134号線を西に向かい、茅ヶ崎海岸インターから新湘南バイパスに乗り、そのまま圏央道に入って中央高速に乗る…というのが最短でいけるルートである。
ところが久しぶりの再会で話が盛り上がり、柳島の交差点を直進。
すぐに気づいたものの湘南大橋を渡った先の信号はUターン禁止なので、一旦右折してからUターン。もう一度湘南大橋を渡って新湘南バイパスに乗った。
ところがどっこい、またもや話が盛り上がってしまい、茅ヶ崎JCTから圏央道に入る標識を見逃して藤沢へ…ここまで間違うと漫画である。
藤沢インターで一般道に下ってもUターンは禁止。ぐるっと一般道を迂回してから再度藤沢インターから新湘南バイパス。
今度は圏央道に乗るまで黙っていよう…という事になり、20分遅れで圏央道に乗ることができた。
そして、この20分の遅れが後のスケジュールを狂わす事になる。

圏央道から中央道への分岐も鬼門である。
昔女子1号と白馬へ向かう際、八王子JCTを直進してしまったことがある。
ここでも間違えたら「今日は高尾山にしますかっ」ってな事になりかねないので、JCTの手前から口をつぐんだ。

その後は順調にドライブし、8時30分に麦草峠に到着した。
しかし、麦草峠の登山者用無料駐車場は何故かいっぱい。我々の前を走っていた車が最後の駐車スペースに滑り込んだ。
朝のミスコースがなければ、そのスペースは我々のものだったはずだ。
仕方がないので、白駒池の有料駐車場に移動するも、ここでも満車に近い状態である。
今日は金曜日。いったい世の中では何が起こっているんだろう。

今回のコースは、麦草峠〜茶臼山〜縞枯山〜ロープウェイ山頂駅〜五辻〜オトギリ平〜大石峠〜麦草峠の周遊なので、白駒池⇦⇨麦草峠間の往復40分が予定外にかかる。
朝の20分と合わせて1時間。
我々日帰り組みとしては、なかなか大きなハンデである。
(?)帰り道、麦草峠の無料駐車場の少し先にある少し広くなっている道路脇に駐車している車があった。そこには「駐車可」ともなんとも書いていないけど、車を停めてもいいのかな?

「予定通りの駐車場に停められたら、白駒池⇦⇨麦草峠の道は歩けなかったわけだからラッキーだよ!!」
何事もポジティブに思考するユキちゃんは、道を間違えようが予定が狂おうが、それを楽しみに変えてしまう。

IMG_4301.jpg麦草峠から茶臼山に向かって歩き始めた。
ところがいつの間にかこんな景色(オトギリ平)の場所を歩いている。
これは明らかにミスコース。どうやら大石峠の分岐を五辻方面に向かってしまったらしい。
しかし、ミスコース慣れしている我々は「まっ逆ルートでもいいっしょ」と、全く意に介さない…性格に変わっていた。

IMG_4304.jpgオトギリ平から先は苔の道。
苔を見始めると、触ったり撫でたり写真を撮ったり…と時間を忘れるくらい夢中になってしまうので、時間に限りがある人は要注意。

IMG_4308.jpg差し込む日差しが快適な登山道。

IMG_4312.jpg出逢いの辻辺りは、気持ちがいい草の絨毯で覆われている。
ここで草の上に寝そべって休憩。
早くも、持ってきたノンアルビールで乾杯してしまう。

IMG_4315_20201002.jpg少し早いけど、五辻の東屋(あずまや)で昼飯にする。
メニューは、スパムとズッキーニの炒め物と、デザートに焼きリンゴ。
森の中で食べる飯は美味い。

IMG_4318.jpgここで、予定変更。
時間を短縮するため、ロープウェイ駅〜縞枯山をスキップして、五辻から直接茶臼山に向かう事にした。
ところがこの軽い登りで、山歩きが久しぶりのユキちゃんがペースダウン。
平らな道を歩くのと山登りでは、使う筋肉が違うらしい。
今年はコロナでジム通いをやめている事も影響しているかもしれない。

IMG_4320.jpg縞枯エリアを通過中。青空とのコントラストがいい。

稜線に出た後は、またもや少しだけ登り。
私は、急登を駆けあがれるくらい元気である。

IMG_4326.jpgIMG_4325.jpgそして茶臼山の展望台に到着。
風が強いけど、真っ青で大きな空と山並みを見渡す事ができた。
岩陰で風を避けながらフルーツ休憩。

ここから先は下りだけど気を抜かないで行きましょう…と言って歩き始めてすぐ、私がガレ場で足を滑らせて転んでしまった。
どうやら、このルートでは必ず転ぶらしい。
海に行けない人の遊び方

IMG_4327.jpg下ってきた茶臼山をバックに、中小場山に到着。

ショートカットしたにも関わらず、白駒池の駐車場に戻ってきたのは14時10分だった。
クロックスに履き替えて、日帰り温泉に直行する。

IMG_4331.jpg予定していたホテル親湯温泉は、日帰り温泉が休み。あとから調べたら、コロナ対応で当分休止するらしい。
代わりに向かったのは、プール平にある蓼科温泉という共同浴場。
ここは親湯温泉と同じ源泉を使った掛け流しの温泉で、どちらかと言うと温泉通の人はこっちのお風呂に入りに来る。

8月に続き万葉堂でお土産を買い、15時半帰途についた。

IMG_4332.jpg早朝ピックアップした場所までユキちゃんを送り届け、私は例によって事務所へ。
ところが狙っていたやきとり屋は満席。
仕方がないので、伊勢佐木町と野毛に繰り出して打ち上げした。
仕事帰りの人が多い。
アタッシュケースを持っているオヤジの足元はクロックスである。