行政キャンペーンの不公平
2026年4月29日、横浜市から「ヨコハマ生活応援クーポン」という案内が届いた。
そこにはこう書いてあった。
「1人あたり5,000円相当の電子クーポンまたは商品券(JCBギフトカード)の給付を行います。」
ハガキを開けると二次元コードなども印刷されており、一瞬「これは詐欺?」と疑ったけど、世帯情報なども書いてあったので本物のようだ。
電子クーポンとして選べるのは「dポイント」や「auPAY」など12種類のサービスがあり、私は「Amazon」を選択してギフトカードにチャージした。
そして、貰った5,000円はカヤックの補修パーツなどを買って、すぐに無くなってしまった。
物価高のご時世なので、私はそこそこ助かったけど、これって対象の横浜市民全員が使えたんだろうか?
我が家の主人が勤めるドラッグストアには、このハガキを持ってきて使い方を聞いてくるお客さんがいたようだ。
インターネットで買い物をしたことがないお年寄りは、そもそも電子クーポンの意味がわからないだろうし、交換方法がわからない人もいたと思う。
その後、6月23日時点で対象者の78.2%が申し込みを終えた…と横浜市から発表があった。
締切は7月31日。
横浜市は、申し込んでいない市民に対して、再度ハガキを送ったようだ。
そして2026年6月19日、「かなトク! (かながわトクトクキャンペーン)」という新しいキャンペーンが始まった。
今回のキャンペーンは、ハガキで通知されなかったので、私はそんなキャンペーンがあることは知らなかった。
存在を知ったのは、このブログを書いている6月21日である。
対象となるキャッシュレス決済は、「PayPay」や「楽天Pay」など6つのサービスで、県内に所在し対象キャッシュレス決済を導入している店舗で使える。
どうやら、それらのサービスを利用している人には、このキャンペーンのことが通知されたらしい。
還元されるキャンペーンの総額は180億円。
例えばキャッシュレス決済の場合、利用者が支払った金額の3%〜7%が決済手数料として事業者の収入になる。
「かなトク!」では、利用者が支払った金額の最大20%(180億円)が還元されるので、キャンペーンの予算を全て使い切った場合、利用者が支払うのは900億円。
その3%〜7% (27〜63億円)が事業者側の収入になる。
いくつかの質問に対する神奈川県の回答を載せてみる。
なぜ本キャンペーンではキャッシュレスでの支払いに限定するのか。
A
早急な物価高騰への対応が求められている中においては、より早期にキャンペーンを開始できる、既存のキャッシュレス決済サービスを対象とすることとしたものです。
なお、県ではプレミアム商品券事業「紙版かながわトクトクキャンペーン!」も実施しており、お近くの商店街に取扱いがあれば、現金で対象の商品券を購入・利用できます。
なぜ現金給付ではないのか。
A
このキャンペーンは、長引く物価高騰の影響を受けている消費者の皆様の負担を軽減するとともに、県内事業者の皆様の支援も目的としていることから、現金給付ではなく、キャッシュレス決済によりポイント等を還元することとしました。
上限はありますか?
A
1つのキャッシュレス決済に対し、ポイント等付与額が1人当たり2,500円となるまでご利用いただけます。
2,500円相当のポイント等還元は1日当たりの上限金額ですか?
A
2,500円相当のポイント等還元は1日当たりではなく、期間当たりの上限金額です。
ぱっと見、なるほどなるほど…と思ってしまいそうだけど、ツッコミどころはいろいろある。
- キャッシュレス決済を利用していない人 (例えば私) は、キャンペーンの存在も知らされないし、1円も還元されない。
- 6つの決済サービスを利用する人は、最大15,000円が還元される。
- 県外の人にも還元される。
「ヨコハマ生活応援クーポン」と「かなトク! (かながわトクトクキャンペーン)」は、どちらも「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金
」を利用したキャンペーンである。
行政側は、たいした労力も欠けず、これらのキャンペーンを実施できるので楽だろう。
しかし、障害のある人やデジタル社会に順応できないお年寄り、私のように一定の距離を保っている人に対しては "優しくない" 方法である。


